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色信号の秘密:I.Q信号とは?

わたしたちがテレビや動画で見ている鮮やかな映像は、複雑な色の組み合わせで表現されています。これらの映像はそのままではデータ量が膨大になり、記録や転送に大きな負担がかかってしまいます。そこで、人間の目の特性を利用して、色の信号を簡略化し、データ量を減らす様々な工夫が凝らされています。その代表的な方法の一つが、輝度信号と色差信号を組み合わせた方式です。人間の目は、色の違いをすべて同じように感じるわけではありません。例えば、白と黒の違いは非常によく分かりますが、わずかな青色の違いを見分けるのは難しいのです。色の見え方のこのような特性をうまく利用したのが、輝度信号と色差信号を使った表現方法です。まず、輝度信号とは、色の明るさを表す信号のことです。白黒テレビの信号とよく似ており、映像の明るさの情報を伝えます。次に、色差信号とは、色の違いを表す信号です。基準となる色との違いを伝えることで、様々な色を表現します。人間の目は色の違いよりも明るさの違いに敏感なので、色差信号は輝度信号に比べてデータ量を少なくすることができます。このように、人間の目の特性をうまく利用することで、画質を大きく落とすことなくデータ量を圧縮することができるのです。この技術のおかげで、高画質の映像をスムーズに楽しむことができるようになりました。輝度信号と色差信号を組み合わせる方法は、様々な動画形式の基本となっており、現代の映像技術において重要な役割を担っています。
色彩

色信号の基礎知識

画面に映る色鮮やかな映像。私たちは普段、何気なくテレビやパソコンで動画を楽しんでいますが、その美しい映像を作り出している裏側には「色信号」と呼ばれる重要な要素が隠されています。色信号とは、映像の中で色の情報を伝える電気信号のことです。色の三原色、赤、緑、青の情報がこの信号によって運ばれ、私たちの目に届くのです。かつて、テレビ放送は白黒の映像しか映し出すことができませんでした。しかし技術の進歩とともにカラー放送が実現し、白黒テレビに色が加わることになりました。この時、課題となったのは白黒テレビとの互換性を保つことでした。つまり、カラーテレビでも白黒テレビの番組を問題なく見られるようにする必要があったのです。そこで考え出されたのが、白黒テレビの信号に色の情報を付け加えるという方法でした。白黒テレビ放送で使われていた明るさを表す信号は輝度信号と呼ばれ、カラー放送ではこの輝度信号に色信号を組み合わせることで、カラー映像を作り出す仕組みが採用されました。色信号単体では、色の情報しか持っていません。これは、画家のパレットに並べられた絵の具のようなものです。絵の具だけでは絵は完成しません。白いキャンバスが必要です。この白いキャンバスの役割を果たすのが輝度信号です。輝度信号によって映像の明るさが決まり、そこに色信号が加わることで、鮮やかな色彩が表現されるのです。色信号は、テレビ放送だけでなく、ビデオテープへの録画やインターネットで配信される動画など、様々な映像技術に欠かせない存在となっています。私たちが日常的に触れている映像のほぼ全てに、色信号が関わっていると言っても過言ではありません。普段何気なく見ている映像の裏側で、色信号が重要な役割を果たし、私たちの目を楽しませていることを少し意識してみると、映像の見え方が変わってくるかもしれません。