
動画の色味を整える:ホワイトバランス調整
動画を制作する上で、色の調整は、出来上がりの動画の雰囲気を大きく左右する、とても大切な作業です。人の目は、周りの明るさや光の種類に合わせて、自然と物の色を正しく認識することができます。例えば、太陽光の下でも、蛍光灯の下でも、白い紙は白く見えますよね。これは、私たちの脳が、光源による色の変化を無意識に補正しているからです。しかし、動画撮影に使うカメラは、人の目ほど賢くありません。そのため、光の種類によって、思っていた色と違う色で撮影されてしまうことがあります。例えば、太陽光の下では青っぽく写ってしまったり、蛍光灯の下では赤っぽく写ってしまったりすることがあります。色の調整とは、カメラで捉えた色を、実際に目で見たときの色に近づける作業のことです。撮影した動画の色が青っぽければ赤みを足し、赤っぽければ青みを足すことで、自然な色合いに直していきます。具体的には、明るさ、色の濃さ、赤・緑・青のバランスなど、様々な要素を細かく調整することで、より自然で、より魅力的な映像を作り出すことができます。色の調整を行うことで、単に色を補正するだけでなく、動画全体の雰囲気や感情表現を豊かにすることも可能です。例えば、暖色を強調することで温かみのある雰囲気を、寒色を強調することでクールな雰囲気を演出することができます。また、特定の色を強調することで、視聴者の視線を特定の被写体に向けさせたり、物語の重要な場面を印象的に見せることもできます。このように、色の調整は、動画制作において欠かせない技術であり、動画の質を高める上で非常に重要な役割を担っています。