
動画編集の要、VITCタイムコードを徹底解説
動画を編集する上で、時間をきちんと管理することはとても大切です。そのために使われるのが、同期信号と呼ばれる、時間の情報を示す信号です。この信号は一般的に「タイムコード」と呼ばれています。タイムコードにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。代表的なものとして、画面の書き換えの合間に記録される「垂直帰線間隔タイムコード」、略して「VITC」と呼ばれるものと、音声信号と同じように記録される「リニアタイムコード」、略して「LTC」と呼ばれるものがあります。VITCは、画面に表示される情報と一緒に記録されるため、ビデオテープのように記録と再生を繰り返す機器に適しています。再生する際に、画面の情報を読み取ることができるからです。例えば、ビデオテープのある一部分だけを再生する場合でも、VITCがあればすぐに正確な時間情報が分かります。ただし、VITCは画面の情報に埋め込まれているため、ビデオテープが劣化したり、画面に傷が付いたりすると、読み取れなくなる可能性があります。一方、LTCは音声信号と同じように記録されます。そのため、VITCのように画面の状況に左右されにくく、安定した時間情報を得ることができます。また、音声機器との連携が容易という利点もあります。音と映像を別々に記録する場合でも、LTCを使って正確に同期させることができます。ただし、LTCはVITCとは別の場所に記録されるため、編集時にはVITCと比べて少し手間がかかる場合があります。このように、VITCとLTCはそれぞれに利点と欠点があります。編集する動画の種類や編集方法、使用する機器によって、どちらのタイムコードが適しているかが変わってきます。状況に応じて適切なタイムコードを選ぶことで、編集作業をスムーズに進めることができます。最近では、これらのタイムコード以外にも様々な同期方法が登場していますが、基本的な考え方は変わりません。動画編集を学ぶ上で、タイムコードの仕組みを理解することは非常に重要です。