
動画の基礎:垂直同期信号
動画は、たくさんの静止画を連続して表示することで動いているように見せています。パラパラ漫画のように、一枚一枚の絵が素早く切り替わることで、滑らかな動きとして認識されるのです。この時、一枚の絵を画面に表示するタイミングを正確に制御することが非常に重要です。もしタイミングがずれてしまうと、画面がちらついたり、映像が乱れて見にくくなってしまいます。そこで活躍するのが「同期信号」です。同期信号は、映像信号の中に含まれており、テレビやモニターなどの表示装置に「次の絵を表示するタイミング」を指示する役割を担っています。指揮者のように、映像の表示を正確に制御しているのです。この信号のおかげで、私たちは安定した滑らかな動画を見ることができるのです。同期信号には大きく分けて二つの種類があります。一つは「水平同期信号」で、これは画面の水平方向、つまり横方向の走査、一行一行の絵の表示を制御します。電子銃が左から右へ、一行分の絵を描いた後、次の行を描くために左端に戻るタイミングを水平同期信号が指示します。もう一つは「垂直同期信号」で、画面全体の上から下への描画を制御します。画面の最下段まで走査が終わったら、再び画面の上端から走査を始めるタイミングをこの垂直同期信号が指示します。これらの水平同期信号と垂直同期信号が正確に送受信されることで、ちらつきや乱れの無い、滑らかで安定した動画表示が可能となるのです。