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撮影機器

プロクサー:映像をより近くに

{小さな世界を大きく写す、接写撮影用の補助レンズ。それが、広く知られる『プロクサー』です。正式には特定の製品の商標ですが、その使いやすさと、多くのレンズに使えることから、今では接写補助レンズ全般を指す言葉として定着しています。接写撮影の基本は、被写体にぐっと近づいて、その細部まで捉えることです。しかし、現実にはそう簡単にはいきません。例えば、警戒心の強い昆虫や、触れると壊れてしまう繊細な工芸品など、近づいて撮影することが難しい被写体はたくさんあります。また、照明器具の配置や、周りの環境によって、物理的に被写体に近づけない場合もあります。そんな時に役立つのが、プロクサーです。被写体との距離を保ったまま、まるで目の前にあるかのような拡大写真を撮影することができます。プロクサーの魅力は、様々な種類のレンズに装着できる汎用性の高さです。普段使いの標準レンズから、遠くのものを大きく写す望遠レンズまで、レンズの種類を選びません。プロクサーを一つ持っていれば、手持ちのレンズで手軽に接写撮影を楽しむことができ、表現の幅も大きく広がります。風景写真に草花の繊細な模様を添えたり、昆虫の触角の微細な構造を写し出したり、肉眼では見過ごしてしまうような、小さな世界の美しさを発見できる、それがプロクサーの力です。さらに、プロクサーは複数枚を重ねて使うことも可能です。重ねる枚数によって倍率が変わり、より大きな拡大率で撮影することができます。プロクサーは、写真愛好家にとって心強い味方と言えるでしょう。