Macintosh

記事数:(1)

規格

動画制作の基礎:PICT形式とは

「PICT」とは、かつてアップル社が開発した画像形式で、様々な応用ソフトの間で図や絵をやり取りしやすくするために作られました。まるで、紙を切り貼りするスクラップブックと、一時的に切り抜きを保管するクリップボードを組み合わせ、電子の世界で再現したようなものです。様々な応用ソフトで作った図や絵、あるいは写真などを一時的に保存しておき、別の応用ソフトに貼り付ける、といった使い方ができました。この機能は、当時のマッキントッシュ型計算機にとって画期的な機能の一つでした。なぜなら、それまで別々の応用ソフトの間で図や絵などの情報をやり取りするのはとても大変だったからです。PICT形式のおかげで、異なる応用ソフト同士がまるで一つの大きな応用ソフトのように連携できるようになり、作業がとても楽になりました。PICT形式は、初期の机上出版や図案作成の分野で広く使われ、多くの応用ソフトで対応していました。特に、初期のマッキントッシュ型計算機の標準的な画像形式として採用されていたため、応用ソフトの種類を問わず、図や絵をやり取りすることができました。これは、様々な応用ソフトを使って複雑な図案を作る際の作業効率を飛躍的に向上させました。PICT形式のもう一つの大きな特徴は、輪郭で表現する図形と、点の集まりで表現する写真のような画像の両方を扱うことができた点です。輪郭で表現された図形は拡大縮小しても画質が劣化しないという利点があり、点の集まりで表現された画像は写真のような滑らかな階調を表現できました。PICT形式はこれらの二つの方式を組み合わせることで、図案の中に写真などを綺麗に埋め込むといった表現を可能にしました。このように、PICT形式は、当時の技術的な制約の中で、様々な工夫が凝らされた、とても優れた画像形式だったと言えるでしょう。