
ジョグモード:動画編集の繊細な技
{動画をテープに記録する機械}、ビデオテープ記録機特有の操作方法に、ジョグモードというものがあります。このジョグモードは、テープの巻き戻しや早送りの速度を、自分の思い通りに調節できる機能です。動画の編集作業、特に一コマ一コマ細かく調整する必要がある場面で、このジョグモードは大変役に立ちました。まるでゆっくり走るように、あるいは一コマずつテープを進めることで、編集したい箇所を正確に見つけたり、動画に付ける効果を細かく調整したりすることができたのです。テープを少しだけ動かすことで、動画編集で重要な編集点を探し出すことができます。また、動画に様々な効果を加える際に、このジョグモードを使うことで、思い通りの効果を作り出すことができます。例えば、映像を少しだけずらして重ねることで残像を作る効果や、特定の場面で一時停止させる効果などを、一コマ単位で正確に調整することができるのです。近頃のコンピューターを使った動画編集ソフトでは、編集したい箇所へ画面上で自由に移動できるため、ジョグモードのような操作はあまり使われなくなりました。しかし、かつてのアナログ編集の時代では、ジョグモードは編集の出来栄えを左右する重要な技術でした。編集作業を行う人は、ジョグモードを巧みに操ることで、質の高い動画を作り出すことができたのです。ジョグモードを使いこなせるかどうかが、編集技術者の腕の見せ所の一つと言えるでしょう。