
動画制作の基礎:フルショットを理解する
全体を写す映像手法、全体映像とは、動画や映画制作において、被写体を頭からつま先まで余すことなく画面に収める基本的な撮影方法のことです。人物を撮影する際には、全身が映るため、その人の姿形だけでなく、周囲の景色や、人物と景色との関係性まで表現できます。例えば、雄大な自然の中に佇む人物を全体映像で撮影すると、広々とした景色のスケール感と比較して、人物の孤独感や小ささを際立たせる効果が生まれます。逆に、都会の雑踏の中を歩く人物を全体映像で捉えれば、周囲の人混みとの対比で、人物の力強さや個性を際立たせることも可能です。また、複数の登場人物がいる場面では、それぞれの人物の立ち位置や、画面全体の雰囲気を伝えるのに役立ちます。全体映像は、複数の人物の関係性を一目で理解させたい時に最適な手法といえます。人物だけでなく、建造物や乗り物など、被写体の種類を問わず、そのものの全体像を伝えたい時に有効な撮影方法です。例えば、高層ビルの全体像を捉えることで、その建物の壮大さを表現したり、新商品の自動車を全体映像で見せることで、デザインの特徴を余すことなく伝えることができます。全体映像は、被写体に関する多くの情報を視聴者に伝え、物語の世界観や雰囲気を構築する上で重要な役割を担っています。そのため、全体映像を使う場面や目的をしっかりと理解し、他の撮影方法と組み合わせながら効果的に活用することが、より質の高い映像作品を制作する上で重要になります。