
動画制作における反響音
音を出すと、その音は空気を伝わって広がっていきます。そして、音の波が壁や山などの物体にぶつかると、跳ね返ってくる性質があります。この跳ね返ってきた音が、元の音よりも遅れて耳に届く現象を、反響音と呼びます。例えば、山びこは、代表的な反響音の例です。山に向かって「ヤッホー」と叫ぶと、声は山の斜面にぶつかり、反射します。そして、直接耳に届く音よりも少し遅れて、反射した音が「ヤッホー」と返ってきます。この時、音が届くまでの道のりが長くなるため、時間差が生じるのです。また、お風呂場などで歌を歌うと、音が響いて聞こえるという経験はありませんか?これも反響音によるものです。お風呂場は、比較的小さな空間で、壁や天井、床など、音が反射しやすい物がたくさんあります。そのため、音が何度も反射を繰り返し、複雑に混ざり合って響くのです。この、何度も反射して音が複雑に響く現象は、残響音とも呼ばれています。コンサートホールなどは、この残響音を美しく響かせるように設計されており、音楽をより豊かに楽しむことができます。一般的には、一度だけ反射した音を反響音、何度も反射した音を残響音と呼びますが、厳密な区別は難しく、まとめて反響音と呼ぶことも多いです。音の響きは、私たちが音をどのように感じるかを大きく左右する重要な要素です。そのため、音響機器や建物の設計など、様々な分野で、反響音の性質が利用されています。