depth of field

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撮影技術

映像に深みを与える被写界深度

写真や動画を撮影するとき、ピントが合っているように見える範囲のことを被写界深度と言います。被写体にピントを合わせると、その被写体の前後にもピントが合っているように見える範囲があります。この範囲の広さが被写界深度です。被写界深度には、深い場合と浅い場合があります。被写界深度が深いとは、ピントが合っているように見える範囲が広いことを指します。例えば、風景写真などで、手前から奥まで全体的にピントが合っている状態です。逆に、被写界深度が浅いとは、ピントが合っているように見える範囲が狭いことを指します。人物写真などで、背景をぼかして人物を際立たせる際に用いられます。被写界深度は、映像の印象を大きく左右する重要な要素です。被写界深度を深くすると、全体にピントが合い、安定した印象を与えます。情報量が多くなり、見る人に多くの情報を与えたい場合に効果的です。一方、被写界深度を浅くすると、ピントが合っている部分以外はぼやけて、主題が強調されます。見る人の視線を特定の被写体、つまり主題に集中させたい場合に効果的です。被写界深度は、絞り値、焦点距離、被写体との距離の3つの要素で決まります。絞り値を小さくすると(絞りを開けると)、被写界深度は浅くなり、背景が大きくぼけます。逆に絞り値を大きくすると(絞りを絞ると)、被写界深度は深くなり、全体にピントが合います。焦点距離が長いレンズを使うと、被写界深度は浅くなり、背景のぼけが大きくなります。逆に焦点距離が短いレンズを使うと、被写界深度は深くなります。被写体との距離が近いと被写界深度は浅くなり、被写体との距離が遠いと被写界深度は深くなります。被写界深度を理解し、適切に調整することで、表現の幅が広がります。主題をはっきりさせたいのか、それとも全体をくっきりと見せたいのか、表現したい雰囲気に合わせて被写界深度を調整することで、より魅力的な映像作品を作ることができます。