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動画とJPEG:静止画圧縮の基礎知識

動画は、実はたくさんの写真が集まってできているのです。まるで、パラパラ漫画を思い出してください。パラパラ漫画は、一枚一枚の絵がわずかに変化することで、まるで動いているように見えますよね。動画も同じ仕組みで、非常に短い間隔でたくさんの写真を連続して表示することで、動いているように見せているのです。これらの写真は「コマ」と呼ばれ、動画の最小単位となっています。テレビ画面やパソコン画面に表示される動画は、一秒間に数十枚ものコマが切り替わることで、滑らかな動きを作り出しています。例えば、一秒間に30枚のコマを表示する動画の場合、30コマの写真が次々と切り替わることで、私たちには動いている映像として認識されるのです。つまり、動画を作るということは、たくさんの写真を用意し、それを適切な順番で並べて、素早く表示するということなのです。ですから、一枚一枚の写真の質が、動画全体の質に大きく影響します。写真の明るさや色合い、鮮明さなどが、動画の見栄えを左右する重要な要素となるのです。さらに、写真一枚一枚のデータ量も、動画全体のファイルサイズに影響を与えます。写真一枚一枚のデータ量が多いと、動画全体のファイルサイズも大きくなってしまいます。大きなファイルは、保存するのに多くの容量が必要になり、インターネットで共有する際にも時間がかかってしまいます。ですから、動画を作る際には、写真の質を保ちつつ、データ量を抑える工夫も必要となります。このように、動画は写真と密接な関係にあります。動画を作る際には、写真に関する知識も非常に重要となるのです。写真について学ぶことで、より高画質で、より美しい動画を作ることができるようになるでしょう。
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動画圧縮の鍵、DCTを解説

近ごろ、動画を気軽に楽しめる仕組みが広く使われるようになり、動画のきれいさも増しています。それに伴い、動画のデータ量はどんどん大きくなっています。そのため、いかに動画データを小さくするかが課題となっています。動画を小さくする技術の中で、DCTと呼ばれるものが重要な役割を担っています。この記事では、DCTの仕組みや、なぜDCTが良いのか、動画を小さくする上でどのように役立つのかを詳しく説明します。DCTとは、「分離余弦変換」の略称で、画像や動画などのデータを波に変換する技術です。例えば、一枚の絵があったとします。この絵には、空の広い青い部分や、木々の細かい緑色の部分など、様々な色の領域があります。DCTは、この絵を様々な大きさの波の重ね合わせとして表現します。具体的には、滑らかな変化を表現する緩やかな波や、細かい模様を表現する細かい波など、様々な周波数の波を組み合わせて元の絵を再現します。人間は、細かい変化よりも大きな変化に敏感です。そこで、DCTで変換した波の中で、あまり目立たない細かい波の情報は省略することができます。これが、DCTによる圧縮の基本的な考え方です。DCTを使うメリットは、データ量を大幅に減らせることにあります。細かい波の情報を省略しても、人間の目にはほとんど変化が分からないため、画質を大きく落とさずにファイルサイズを小さくできます。また、DCTは計算が比較的簡単なので、処理速度が速いという利点もあります。そのため、動画配信サービスのように大量の動画データを扱う場合でも、効率的に圧縮することができます。さらに、DCTは様々な動画圧縮の規格、例えばMPEGやH.264などにも使われており、動画圧縮における重要な技術となっています。近年の動画技術の発展は、DCTのような圧縮技術の進化と切り離せない関係にあると言えるでしょう。この記事を通して、DCTがどのように動画を小さくしているのか、その仕組みを理解する一助となれば幸いです。