AES

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音声エフェクト

動画の音質調整:イコライザー活用術

音響や映像の世界で欠かせない道具、それが「イコライザー」です。イコライザーとは、音声や映像に含まれる様々な高さの音の強さを調整する機器や機能のことを指します。まるで音の化粧師のように、音質をより良くしたり、特定の音域を目立たせたり抑えたりすることで、聞きたい音、見せたい音を思い通りに作り出すことができます。動画制作では、このイコライザーは様々な場面で活躍します。例えば、ナレーションの声が聞き取りにくい場合、声の高さに合わせた調整をすることで、はっきりと明瞭にすることができます。また、背景音楽がうるさすぎる場合は、特定の音域を下げることで、全体のバランスを整えることができます。さらに、効果音に迫力や臨場感を加えたい場合、低音を強調するなどして、より印象的な音にすることが可能です。イコライザーは一般的に、画面上に音の高さごとの強さをグラフで表示し、それを視覚的に操作できるように設計されています。このグラフは、まるで音の指紋のように、それぞれの音の特徴を表しています。つまみのようなものを上下に動かすことで、直感的に音質を調整することができ、思い通りの音作りをサポートしてくれます。音響や映像の専門家でなくても、手軽に扱えるようになっているため、動画制作初心者の方にもおすすめの機能と言えるでしょう。音質の調整だけでなく、不要なノイズの除去にも役立ちます。例えば、エアコンの音や風の音など、意図しない音が録音されてしまった場合、そのノイズの高さに合わせた調整をすることで、ノイズを軽減し、クリアな音質を実現できます。まさに、動画制作における必須ツールと言えるでしょう。
音声

音響のプロ集団:AESとは?

音を取り扱う技術は、私たちの暮らしを豊かにする上で、なくてはならないものとなっています。音楽や映画、テレビ番組といった娯楽はもちろんのこと、日々の生活で耳にするあらゆる音に関わっています。より自然で、より鮮明で、より臨場感のある音体験は、私たちの生活に彩りを添えてくれる大切な要素です。こうした音響技術の向上を目指し、日々活動している団体があります。それが、音声技術者協会、略称 音技協です。音技協は、音響機器を作る会社や、音を取り扱う制作会社、そして音響技術に携わる技術者たちが集まり、音響技術の進歩と発展のために活動しています。具体的には、会員同士の情報交換や、最新の技術に関する研究発表、さらには音響機器の規格制定など、多岐にわたる活動を行っています。音技協の本拠地はアメリカのニューヨークにあり、世界中に支部を設けて国際的な繋がりを築いています。日本にも支部があり、講演会やセミナー、技術研修会などを開催し、活発に活動しています。音技協の活動は、単に技術の向上を目指すだけではありません。音響技術を通じて、人々の暮らしをより豊かに、より快適にすることを目指しています。例えば、より自然で聞き取りやすい音声は、高齢者や聴覚に障がいを持つ人々にとって、コミュニケーションを円滑にする上で大きな助けとなります。また、臨場感のある音響効果は、映画や音楽、ゲームなどのエンターテイメント体験をより感動的なものにしてくれます。音技協は、このような様々な視点から、音響技術の未来を創造していく団体です。さらに、音技協は次世代の音響技術者を育成するための教育活動にも力を入れています。学生向けのセミナーやワークショップなどを開催し、若い世代の育成にも積極的に取り組んでいます。音技協の活動は、未来の音響技術を担う人材育成にも貢献していると言えるでしょう。
規格

高音質伝送の秘密:AES/EBUフォーマット

高音質のデジタル音声信号をやり取りするための共通の規格として、広く知られているものに、音声技術学会と欧州放送連合が共同で作った規格があります。この規格は、後に国際電気標準会議も加わって、現在も世界中で使われています。この規格は、一九八五年に誕生しました。雑音のない、正確な音声信号のやり取りを実現するために、音声をデジタル信号に変換する方法から、信号に紛れ込んだ間違いを直す仕組み、そして、信号を送る方法まで、細かく定めています。これによって、放送局や録音スタジオといった専門家の現場で、確実な音声のやり取りを可能にしています。この規格の大きな利点は、世界共通の規格であるということです。異なる会社が作った機器であっても、この規格に従っていれば、互いにつながり、問題なく連携して動作します。例えば、ある会社の録音機で録音した音声を、別の会社の編集機で編集するといった作業が、スムーズに行えます。音声信号をデジタルに変換する際、音の高さや大きさといった情報を、数値の列に変換します。この規格では、二つの音声信号を一つの信号線で送る方法や、誤りを検出して修正する仕組みなどが、厳密に決められています。また、信号と同時に、音声データの種類や録音日時といった付加情報も送ることができます。これにより、機器同士が正しく情報を解釈し、高品質な音声伝送を実現できるのです。この規格は、今後も高品質なデジタル音声伝送の基盤であり続け、技術の進歩とともに進化していくでしょう。より高音質、そして、より効率的な音声伝送の実現に向けて、更なる発展が期待されています。