
動画編集におけるABロールとは?
複数台の映像記録再生機を使って、それぞれに記録された絵を合わせながら、別の記録再生機にまとめ写しする手法を、エイビーロール編集と言います。この手法は、編集機による制御がなくてはならず、主に編集作業の能率を高めたり、多彩な絵作りをしたりするために使われます。一つの映像記録再生機から、絵を順番に写し取って繋ぐだけの編集では、どうしても単調になりがちです。エイビーロール編集では、複数の絵を組み合わせることで、単一の絵では表せない奥行きや複雑さを加えることができます。例えば、誰かに話を聞いている絵に、関係のある風景や資料の絵を差し込むことで、見ている人の理解を深めたり、絵に変化を与えて飽きさせない効果が期待できます。具体的な作業としては、まず、使う絵が記録されている複数の映像記録再生機を編集機に繋ぎます。そして、編集機を使って、これらの映像記録再生機を同時に動かし、絵を合わせます。この時、音声も同時に合わせることで、より自然な流れの絵を作ることができます。最後に、出来上がった絵を別の記録再生機に写し取ります。エイビーロール編集は、編集の自由度が高い反面、操作が複雑で、熟練した技術が必要です。しかし、複数の絵を組み合わせることで、見ている人に分かりやすく、飽きさせない、奥行きのある絵作りができます。ニュース番組や記録映像番組など、様々な番組制作で活用されている編集手法です。近年では、コンピューターを使った非線形編集が主流となっていますが、エイビーロール編集の基本的な考え方は、今でも様々な編集ソフトに受け継がれています。絵と絵を繋ぐだけでなく、重ね合わせたり、切り替えたり、様々な効果を加えることで、より表現豊かな映像作品を作ることができるようになりました。エイビーロール編集は、映像制作の基礎となる技術と言えるでしょう。