
480i映像の基礎知識
「画面の解像度」とは、画面に表示できる細かさのことで、画素の数で表されます。水平方向の画素数と垂直方向の画素数を掛け合わせたものが総画素数であり、この数が大きいほど、きめ細やかな映像を表示できます。今回取り上げる「480i」という映像方式も、この画面の解像度を表すものです。「480i」の「480」は、垂直方向の走査線の数が480本であることを示しています。「i」は「インターレース」の略で、特殊な表示方法を意味します。インターレース方式では、画面を一度に表示するのではなく、まず奇数番目の走査線を描き、次に偶数番目の走査線を描くという手順を繰り返します。全体を一度に表示するのではなく、交互に表示することで、少ないデータ量で滑らかな動きを表現しようとする技術です。水平方向の画素数は約720画素で、480本の走査線と合わせて、全体の解像度が決まります。480iは以前は地上デジタル放送などで広く使われていましたが、技術の進歩とともに、より高解像度な映像方式が主流になりつつあります。例えば、ハイビジョン(高精細度)放送で使われる解像度は、垂直方向の走査線が720本や1080本と、480iよりもずっと多くなっています。そのため、480iの映像を大きな画面で表示すると、どうしても映像がぼやけて見えたり、ノイズが目立ったりすることがあります。近年は4Kや8Kといった、さらに高解像度の映像方式も普及しつつあり、480iのような以前の映像方式は、次第に姿を消しつつあります。より美しい映像を求める時代の流れとともに、高解像度化はますます進んでいくでしょう。