
2チャンモノラル録音:基礎知識
2チャンネルモノラル録音とは、2つの録音経路を持つ録音機器を使って、左右全く同じ音を録音する手法です。まるで立体音響のように聞こえる機器を使って、実際には平面的な音響と変わらない音を録音しているのです。左右のスピーカーから流れる音が完全に一致しているため、実際には1つの音源を聞いているのと変わりません。見た目には2つの経路を使っているので立体的であると錯覚しがちですが、実際には1つの音源を2回記録しているだけなので、真の立体音響とは似て非なるものと言えます。一体なぜこのような録音方法があるのでしょうか?一番大きな理由は、音質の劣化を防ぐためです。録音した音を後で編集する際、どうしても多少の音質劣化は避けられません。しかし、同じ音を2つの経路に録音しておけば、片方の音質が劣化しても、もう片方の経路から劣化が少ない音源を取り出すことができます。これは、貴重な録音を守るための安全策と言えるでしょう。また、編集作業を簡略化できるという利点もあります。例えば、2つの録音経路をそれぞれ別の編集機器に接続し、同時に同じ編集作業を行うことができます。これにより、編集時間を大幅に短縮することが可能です。一方で、機器や記録媒体を無駄に消費してしまうという欠点も存在します。同じ音を2回記録するということは、本来必要のない容量を消費していることになります。さらに、2つの経路を正確に同じ音量、同じタイミングで録音するには高度な技術が必要となる場合もあります。このように、2チャンネルモノラル録音にはメリットとデメリットが存在します。状況に応じて適切に使い分けることが重要と言えるでしょう。