色度図

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色信号の秘密:I.Q信号とは?

わたしたちがテレビや動画で見ている鮮やかな映像は、複雑な色の組み合わせで表現されています。これらの映像はそのままではデータ量が膨大になり、記録や転送に大きな負担がかかってしまいます。そこで、人間の目の特性を利用して、色の信号を簡略化し、データ量を減らす様々な工夫が凝らされています。その代表的な方法の一つが、輝度信号と色差信号を組み合わせた方式です。人間の目は、色の違いをすべて同じように感じるわけではありません。例えば、白と黒の違いは非常によく分かりますが、わずかな青色の違いを見分けるのは難しいのです。色の見え方のこのような特性をうまく利用したのが、輝度信号と色差信号を使った表現方法です。まず、輝度信号とは、色の明るさを表す信号のことです。白黒テレビの信号とよく似ており、映像の明るさの情報を伝えます。次に、色差信号とは、色の違いを表す信号です。基準となる色との違いを伝えることで、様々な色を表現します。人間の目は色の違いよりも明るさの違いに敏感なので、色差信号は輝度信号に比べてデータ量を少なくすることができます。このように、人間の目の特性をうまく利用することで、画質を大きく落とすことなくデータ量を圧縮することができるのです。この技術のおかげで、高画質の映像をスムーズに楽しむことができるようになりました。輝度信号と色差信号を組み合わせる方法は、様々な動画形式の基本となっており、現代の映像技術において重要な役割を担っています。