背景除去

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動画編集

映像編集の『抜く』:合成の基礎

動画を作るとき、『抜く』と言う言葉を使うことがあります。これは、特定の色で塗られた背景を取り除き、透明にする作業のことを指します。この作業は、『色抜き合成』または『鍵抜き』とも呼ばれます。背景の色を抜くことで、まるで背景がなくなったようになります。そこに別の背景の動画や絵を重ねることで、現実にはない景色を作ったり、不思議な効果を加えたりすることができるのです。たとえば、緑や青などの単色で背景を塗りつぶして撮影します。そして、動画編集ソフトを使って、その色を指定して消します。すると、背景の色が透明になり、被写体だけが浮き上がって見えます。この技術は、よくニュース番組の天気予報で見られます。気象予報士が背景の地図を指し示す時、実は気象予報士は緑や青の背景の前に立って話しています。『抜く』技術によって背景が透明になり、地図と合成されているのです。また、映画の特殊効果にもよく使われています。たとえば、空を飛ぶシーンや、爆発するシーンなど、現実には撮影が難しい場面を作ることができます。人物だけでなく、物や小道具にも使えるため、動画表現の可能性を広げる大切な技術と言えるでしょう。