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規格

DVフォーマット:デジタルビデオの基礎知識

家庭用録画記録の規格として広く知られたDV規格について解説します。この規格は、世界中の約60もの会社が加盟する「高解像度録画記録協議会」によって定められ、使いやすさと美しい映像で多くの人々に受け入れられました。DV規格最大の特徴は、小型で手軽に扱えるカセットテープを使用する点です。カセットには、一般的な長さの「DVカセット」と、より長い時間録画できる「小型DVカセット」の2種類があり、使う場面によって使い分けることができました。録画時間は、標準カセットで最長270分、小型カセットで最長60分もの記録が可能で、旅行や行事など、様々な場面で利用されました。DV規格は、ビデオカメラで撮影した映像を劣化させずにそのまま保存できるという利点がありました。そのため、結婚式や運動会、卒業式といった大切な出来事を鮮明なまま残せる手段として、多くの人々に愛用されました。また、カセットテープは繰り返し録画することが可能で、経済的にも優しい規格でした。さらに、DV規格は映像と音声をデジタルデータとして記録するため、何度も複製しても画質や音質が劣化しにくいという特性も持っていました。この特徴により、大切な映像を家族や友人と共有する際にも、元の映像と変わらない品質で楽しむことができました。手軽に高画質録画を楽しめるDV規格は、家庭用録画記録の普及に大きく貢献したと言えるでしょう。
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高音質伝送の秘密:AES/EBUフォーマット

高音質のデジタル音声信号をやり取りするための共通の規格として、広く知られているものに、音声技術学会と欧州放送連合が共同で作った規格があります。この規格は、後に国際電気標準会議も加わって、現在も世界中で使われています。この規格は、一九八五年に誕生しました。雑音のない、正確な音声信号のやり取りを実現するために、音声をデジタル信号に変換する方法から、信号に紛れ込んだ間違いを直す仕組み、そして、信号を送る方法まで、細かく定めています。これによって、放送局や録音スタジオといった専門家の現場で、確実な音声のやり取りを可能にしています。この規格の大きな利点は、世界共通の規格であるということです。異なる会社が作った機器であっても、この規格に従っていれば、互いにつながり、問題なく連携して動作します。例えば、ある会社の録音機で録音した音声を、別の会社の編集機で編集するといった作業が、スムーズに行えます。音声信号をデジタルに変換する際、音の高さや大きさといった情報を、数値の列に変換します。この規格では、二つの音声信号を一つの信号線で送る方法や、誤りを検出して修正する仕組みなどが、厳密に決められています。また、信号と同時に、音声データの種類や録音日時といった付加情報も送ることができます。これにより、機器同士が正しく情報を解釈し、高品質な音声伝送を実現できるのです。この規格は、今後も高品質なデジタル音声伝送の基盤であり続け、技術の進歩とともに進化していくでしょう。より高音質、そして、より効率的な音声伝送の実現に向けて、更なる発展が期待されています。