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動画制作現場の必需品:パーマセル

「パーマセル」とは、実は商品名のことです。よく似た材質の紙製のテープは他にもありますが、元祖であるこの商品名は、動画制作の現場では紙テープそのものの名前として使われています。このテープは、スタジオで使うための特別な紙テープです。最大の特徴は、貼ったり剥がしたりを繰り返しても、のりが残りにくいことです。そのため、撮影が終わった後、床や壁、機材などからきれいに剥がすことができ、貼り跡の掃除の手間が省けるという利点があります。撮影現場では、様々な場所に印を付けたり、物を固定したりする必要があり、このテープはまさになくてはならない必需品となっています。例えば、撮影場所の床に俳優や出演者の立ち位置や動きの目印を付ける「バミリ」と呼ばれる作業には、パーマセルが欠かせない道具です。床に貼ったテープの上を歩くことで、出演者は自分の立ち位置や動きを正確に把握することができます。また、照明機材を一時的に固定するためにも、このテープがよく使われます。照明機材は重いものも多く、しっかり固定しないと倒れてしまう危険性がありますが、パーマセルを使えば安全に固定することができます。さらに、ケーブルをまとめたり、小道具を固定したりといったことにも使われ、動画制作現場ではあらゆる場面で活躍しています。手で簡単に切ることができるので、ハサミなどの道具を使わずに必要な長さに調整できることも、作業効率を上げる上で大きなメリットです。このように、パーマセルは貼って剥がせる、跡が残らない、手で切れるといった多くの利点があり、動画制作のプロフェッショナルたちに長年愛用されています。その使い勝手の良さから、動画制作現場だけでなく、舞台制作やイベント会場などでも幅広く使われています。
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スクリプター:映画制作の縁の下の力持ち

映画やテレビ番組の制作現場において、記録係は監督を支える重要な役割を担っています。記録係の主な仕事は、撮影された場面の一つ一つを細かく記録することです。具体的には、俳優のせりふ回しや演技、カメラの位置、使われた小物など、あらゆる情報を余すことなく記録します。これは、後の編集作業を滞りなく進める上で欠かせない作業です。例えば、同じ場面を何度も撮影する場合、記録係はどの回が最も優れていたか、監督の指示通りに撮影されているかなどを記録し、編集担当者に伝えます。また、撮影中にせりふ回しや演技に変更があった場合も、記録係が記録することで、編集時に混乱が起きるのを防ぎます。このように、記録係は膨大な情報を正確に記録することで、制作の効率化に大きく貢献しているのです。記録は、映像の繋がりを保つためにも重要です。例えば、ある場面で俳優が持っていた茶碗が次の場面でなくなっているといった間違いを防ぐために、記録係は小物や衣装、俳優の位置などを細かく記録します。さらに、俳優の演技の細かい変化や、監督の指示なども記録することで、編集時に監督の意図を正確に反映させることができます。また、記録係は単なる記録者ではなく、撮影現場全体の状況を把握し、監督の意図を理解する必要があります。時には、監督に助言を求められることもあり、その判断が作品の質を左右することもあります。このように、記録係は記録を通して映像作品全体の質を高める役割を担っており、縁の下の力持ちとして作品制作を支えていると言えるでしょう。