
マスターテープ:映像制作の最終形
動画を作る過程で、全ての作業が終わり、最終的に承認された完成された映像を保存したものがマスターテープと呼ばれます。かつては、実際にテープに記録していましたが、今では、コンピューターのデータとして保存するのが一般的です。そのため、マスターデータと呼ばれることもあります。このマスターテープ(またはマスターデータ)には、映像の編集、色の調整、音声のミキシングなど、全ての修正が完了した映像が記録されています。つまり、もうこれ以上変更を加える必要がない、正真正銘の完成版です。具体的には、どのような工程を経てマスターテープが作られるのでしょうか。まず、撮影された生の映像素材をもとに、不要な部分をカットしたり、順番を入れ替えたりする編集作業を行います。次に、映像の色味や明るさを調整し、より見栄えの良い映像に仕上げます。それと並行して、音声のミキシング作業も行います。ナレーションや効果音などを加え、音声全体のバランスを整えます。これらの作業が全て完了し、関係者全員の承認を得て、初めてマスターテープが完成します。このマスターテープは、テレビ局に納品したり、複製して販売用のディスクを作ったり、インターネットで配信したりする際に元となる非常に重要なものです。いわば、映像作品の原本であり、全ての始まりとなるものです。そのため、大切に保管し、万が一の紛失や破損を防ぐ必要があります。マスターテープは、その後のあらゆる展開の基礎となる、まさに作品の核となる部分と言えるでしょう。