収差

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映像を歪ませるディストーション:その効果と種類

動画を作る上で、レンズによって映像がゆがむことは避けられない問題です。これは、レンズを通る光の性質によって起こるもので、映像の中心から端にかけて、本来まっすぐな線が曲がって見えてしまう現象です。このゆがみには、大きく分けて二つの種類があります。一つ目は、糸巻き型と呼ばれるゆがみです。これは、映像の中心から外側に向かって、まるで糸巻きのように膨らんで見える現象です。中心は変わらず、端に行くほど曲がり方が大きくなります。二つ目は、樽型と呼ばれるゆがみです。こちらは、糸巻き型とは逆に、映像の中心から外側に向かって縮んで見える現象です。樽の側面のように、中心が膨らんで端がすぼまったように見えます。これらのゆがみは、レンズの作り方や使い方によって変わってきます。例えば、広い範囲を写すための広角レンズは、樽型のゆがみが起きやすい特徴があります。逆に、遠くのものを大きく写すための望遠レンズは、糸巻き型のゆがみが起きやすい傾向があります。これらのゆがみは、映像の現実感を損なってしまう場合もありますが、逆に、独特の雰囲気や効果を生み出すために、わざと使われることもあります。例えば、魚眼レンズと呼ばれるレンズは、極端に樽型のゆがみを利用することで、非常に広い範囲を一度に写すことができます。また、特定のレンズをわざと使ってゆがみを加えることで、昔の映像のような雰囲気や、独特の視覚効果を出すことも可能です。レンズのゆがみを理解し、うまく調整することで、映像表現の可能性は大きく広がります。
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歪み:映像を歪ませる3つの要因

動画を撮影する際に、レンズは光を集めて映像を作り出す大切な役割を担っています。しかし、レンズを通る光は、レンズの形や素材の影響を受けて、いつも正確に像を結ぶとは限りません。この現象はレンズの収差と呼ばれ、その中の一つに歪みがあります。歪みとは、本来真っすぐな線が曲がって写ってしまう現象のことです。歪みには、主に二つの種類があります。一つは糸巻き型歪みで、画面の中心から外側に向かって、放射状に線が膨らんで見える歪みです。まるで糸巻きのように見えることから、この名前が付けられています。もう一つは樽型歪みで、画面の中央が膨らんで樽のように見える歪みです。これらの歪みは、建物や風景など、直線を含む被写体を撮影する時に特に目立ちやすく、映像の現実感を損なうことがあります。高性能なレンズは、歪みを少なくするように作られていますが、完全に無くすことは難しいです。そのため、撮影後に編集ソフトを使って歪みを直す作業を行うことがあります。歪みの大きさは、レンズの焦点距離や絞りの値によっても変わります。焦点距離とは、レンズの中心から像を結ぶ点までの距離で、絞り値とは、レンズに入る光の量を調整する値のことです。撮影する状況に合わせて、これらの設定を適切に行うことが大切です。最近では、コンピューターを使った歪み補正の技術が進歩していて、撮影後の編集で歪みをうまく直せるようになってきています。ソフトには、歪みを自動で認識して補正してくれる機能が搭載されているものもあり、手軽に歪みを補正することが可能です。これらの技術を活用することで、より自然で美しい映像を作り出すことができます。