
ズーム比:動画表現を広げる魔法の数値
動画を撮影する際に使う機材で、写す範囲を変えることができるレンズをズームレンズと言います。このズームレンズには、写せる範囲の広さを表す数値があります。これをズーム比と言います。ズーム比は、レンズが一番広く写せる状態と一番狭く写せる状態の比率で表されます。例えば、一番広く写せる時の焦点距離が18ミリメートル、一番狭く写せる時の焦点距離が55ミリメートルのレンズの場合、ズーム比は約3倍になります。これは、55ミリメートルを18ミリメートルで割ることで計算できます。このズーム比という数値は、一つのレンズでどれだけの範囲を写せるのかを示す大切な目安です。ズーム比が大きいレンズは、広い風景から遠くの被写体の細かい部分まで、様々な場面を一つのレンズで撮影できます。雄大な山脈全体を写したり、遠くの鳥に寄って大きく写したりすることが可能です。まるで複数のレンズを持っているかのような使い勝手の良さがあります。逆にズーム比が小さいレンズは、写せる範囲の変化が小さく、特定の撮影場面に適していると言えます。例えば、人物の表情を自然に写すことに適したレンズなどです。これらのレンズは、写せる範囲は狭いですが、特定の被写体を美しく写すことに特化しています。このように、ズーム比は動画制作において表現の幅を広げるための大切な要素です。撮影したい場面や表現したい映像に合わせて、適切なズーム比のレンズを選ぶことで、より効果的な動画制作が可能になります。