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映像のすべて:アンダースキャンの謎

居間にあるテレビ画面、見慣れた映像の中に隠された秘密があることをご存じでしょうか?私たちが毎日見ているテレビ画面、特に少し前のブラウン管テレビの時代には、画面の縁の部分が枠で隠れてしまい、本来映し出されるべき映像の一部が見えなくなっていたのです。これはテレビを作る過程で生じる個体差、つまり同じ型のテレビでも一つ一つ微妙に異なる部分があったり、テレビ局から送られてくる電波の状態が常に完璧とは限らないことへの対策でした。電波の状態が悪いと画面が不安定になるのを防ぐため、あらかじめ少し大きめの映像を作り、家庭のテレビではその中央部分だけが見えるようにしていたのです。つまり、家庭で見えていた映像は、実は全体像の一部を切り取ったものに過ぎませんでした。映画館の大きなスクリーンで映画を見るとき、家庭で見るのとは違う迫力を感じることがありますよね。それは画面の大きさだけでなく、家庭では隠れてしまっていた映像の情報が、映画館ではきちんと映し出されていることも理由の一つかもしれません。この隠された映像は、私たちが映像をきちんと理解する妨げになることもありました。映像制作者が意図した構図や色彩、画面全体の雰囲気などが、家庭のテレビでは一部欠けた状態で伝わるため、制作者の真意が正しく伝わらなかった可能性もあるのです。まるで額縁が大きすぎて絵の一部が隠れてしまっている絵画のように、隠されていた映像の情報は、私たちが映像を心から楽しむための邪魔になっていたと言えるでしょう。今では薄型テレビが主流になり、このような問題は少なくなりましたが、映像の仕組みを知ることで、より深く映像を楽しむことができるかもしれません。
撮影機器

映像制作の要、マスターモニターとは?

映像作品を作る上で、色の正しさや明るさ、鮮やかさといった要素をきちんと整えることはとても大切です。しかし、複数の画面を使う場合、画面ごとに微妙な違いが出てしまうことがあります。例えば、ある画面では色が濃く見えても、別の画面では薄く見えるといった具合です。このような違いをなくすために重要なのが、基準となる画面、「親分画面」です。親分画面は、他の画面の色や明るさ、鮮やかさを合わせるための基準となる画面です。いわば、映像制作の道しるべのようなものです。この親分画面を見ることで、作り手は自分が思い描いた通りの映像になっているかを確認できます。そして、最終的に出来上がる作品をより良いものにすることができます。親分画面には、色の再現性が非常に高い特別な画面が使われます。この画面は、映像制作で使われる色の範囲をほぼ完全に表示できるように作られています。また、明るさや鮮やかさも細かく調整できるようになっています。さらに、画面の表面は反射を抑えるように加工されているため、外からの光の映り込みを防ぎ、映像を正確に表示することができます。多くの画面を使う現場では、この親分画面の存在が欠かせません。例えば、テレビ番組の制作現場では、複数の画面で同時に映像を確認しながら作業を進めます。この時、親分画面を基準にすることで、すべての画面で同じ映像が表示されるように調整できます。これにより、編集作業や色の調整作業をスムーズに進めることができます。また、映画制作の現場でも、親分画面を使って最終的な映像の色味や明るさを確認します。このように、親分画面は高品質な映像作品を作る上で無くてはならないものなのです。
撮影機器

映像制作の要、ピクモニとは?

動画作品を作る現場では、様々な機材が活躍しています。カメラや録画機はもちろん、映像を切り替える装置など、多くの機材が複雑に連携することで、一つの作品が完成します。これらの機材が出力する映像信号を、撮影中にリアルタイムで確認するために欠かせないのが、映像確認用表示装置です。一般的には「ピクモニ」という略称で呼ばれ、動画制作の現場を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。映像確認用表示装置の役割は、多岐に渡ります。例えば、複数のカメラを使って撮影する場合、それぞれのカメラからの映像をこの装置で確認することで、構図や明るさ、被写体の動きなどを正確に把握することができます。これにより、最適なアングルやタイミングで撮影された映像を選ぶことが可能になり、質の高い作品作りに繋がります。また、録画機に記録された映像も、この装置で再生できます。撮影した内容をすぐに確認できるため、撮り直しが必要な場合でも迅速に対応でき、作業効率の向上に大きく貢献します。さらに、編集作業においても映像確認用表示装置は重要な役割を担います。編集者は、この装置で映像の色味や明るさ、コントラストなどを細かく調整し、作品全体の雰囲気を作り上げていきます。また、映像に特殊効果を加えたり、字幕やテロップを挿入したりする際にも、仕上がりの確認に欠かせません。このように、映像確認用表示装置は撮影現場から編集室まで、動画制作のあらゆる段階で必要不可欠な存在であり、円滑な作業進行を支える重要な役割を担っています。映像確認用表示装置は、まさに動画制作のワークフローを支える、縁の下の力持ちと言えるでしょう。