マイクロホン

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音声

録音の雑音:かぶりの影響と対策

{録音の良し悪しを左右する}「かぶり」とは、目的の音以外の余計な音がマイクに入り込んでしまう現象を指します。まるで薄い幕がかかったように聞きたい音が不明瞭になることから、このように呼ばれています。具体例を挙げると、歌手の歌声を録音する場面を考えてみましょう。歌声だけでなく、伴奏の楽器の音や空調の音、外の車の音、さらにはマイクの設置場所が悪ければ衣擦れの音まで拾ってしまうかもしれません。これら全てが「かぶり」にあたります。録音現場では様々な音が発生しており、マイクは指向性(特定の方向からの音を拾いやすい性質)を持っているとはいえ、完璧に目的の音だけを捉えることは難しいです。特に、繊細な音も拾い上げる高感度マイクは、かぶりが起こりやすい傾向があります。性能が良いが故に、周囲の音も拾いやすいという側面があるのです。この「かぶり」は、録音後の編集作業にも大きな影を落とします。録音した音源の不要な音を消したり、聞きたい音を際立たせる作業を「音の編集」と言いますが、かぶりが酷いと、聞きたい音が他の音に埋もれてしまい、音の編集が困難になります。雑音を取り除こうとすると、聞きたい音まで一緒に消えてしまう、といった具合です。結果として、クリアで聞き取りやすい音源を作るのが難しくなります。かぶりを完全に無くすことは難しいですが、録音時の工夫で最小限に抑えることは可能です。例えば、マイクと音源の距離を近づける、指向性の強いマイクを使う、周囲の雑音を減らすなど、様々な対策があります。録音環境を整えることで、クリアな音源を収録することが可能になります。
撮影機器

ガンマイクで臨場感を高める動画制作

筒状の形をした集音マイクのことで、遠くの音を録音するのに優れた道具です。その形が鉄砲に似ていることから、ガンマイクと呼ばれています。まるで狙撃するように、特定の音源に向け、離れた場所からでも鮮明な音を捉えることができます。このマイクの最大の特徴は、狙った方向の音を拾う能力の高さです。周りの雑音に邪魔されることなく、聞きたい音をしっかりと録音できます。例えば、屋外で鳥のさえずりを録音したい場合、周囲の風の音や車の走行音などを拾わずに、鳥のさえずりのみをクリアに捉えることが可能です。舞台の収録や野外ロケなど、音源から離れた場所で録音する際に、ガンマイクは特に力を発揮します。役者の声や特定の音を鮮明に捉え、臨場感あふれる映像作品を作り出すのに役立ちます。また、インタビューの収録時にも、周囲の騒音を抑え、話し手の声をクリアに録音するのに効果的です。ガンマイクには様々な種類があり、用途や録音環境に合わせて選ぶことが重要です。小型で持ち運びに便利なタイプや、より遠くの音を捉えるための高性能タイプなど、様々な種類があります。また、接続方法も様々で、カメラに直接接続するものや、専用の録音機と組み合わせて使用するものなどがあります。録音したい音の種類や環境、そして予算などを考慮して、最適なガンマイクを選ぶことが、高品質な音声収録の鍵となります。