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黒つぶれを防ぐ!ブラッククリップとは?

動画を作るとき、「黒つぶれ」という現象に出くわすことがあります。これは、絵の中の暗い部分が真っ黒になってしまい、本来見えるはずの細かい部分や色の濃淡が見えなくなってしまうことです。例えば、夜の景色や暗い部屋の中を撮影した映像で、本来は黒から濃い灰色へと徐々に変化していくはずの部分が、真っ黒になってしまい、物の質感や奥行きが感じられなくなってしまうことがあります。この黒つぶれは、なぜ起こるのでしょうか。映像は電気信号でできており、その信号の明るさを表す部分が基準値よりも小さくなってしまうと、黒つぶれが発生します。この基準値は、映像信号がない状態を表す値で、これを下回ると真っ黒に表示されてしまいます。また、映像信号には、細かな明るさの変化を表す高周波成分が含まれています。この高周波成分が急激に変化すると、信号のレベルが一時的に基準値を下回ってしまう「アンダーシュート」という現象が発生し、これも黒つぶれの原因となります。黒つぶれの原因は様々です。撮影時に光を取り込む量が不足している「露出不足」が主な原因の一つです。カメラの設定を誤って、光を取り込みすぎてしまう「露出オーバー」の逆で、光が足りないと暗い部分が黒つぶれしやすくなります。また、動画編集ソフトの設定ミスも原因となります。明るさやコントラストの調整を誤ると、黒つぶれが発生することがあります。黒つぶれが発生すると、映像全体の印象が暗く重くなってしまい、見ている人に不快感を与えてしまう可能性があります。そのため、動画制作においては、黒つぶれを防ぐための対策が必要です。撮影時には適切な露出設定を心がけ、編集ソフトでは明るさやコントラストの調整に注意を払いましょう。そうすることで、より美しく、見やすい映像を作ることができます。
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映像の黒レベル:setuplevel解説

動画に映る一番暗い部分、つまり黒色の基準となる明るさを黒レベルと言います。専門用語では「セットアップレベル」とも呼ばれています。この黒レベルは、画面に映る黒色の濃さを決める大切な要素であり、映像全体の明るさやコントラスト(明暗の差)に大きな影響を与えます。黒レベルの設定が適切でないと、本来黒色で表現されるべき部分が沈み込んで真っ黒につぶれて見えたり、逆に黒色が薄く灰色がかって白っぽく見えてしまったりします。例えば、夜空の星々を撮影した場面を考えてみましょう。黒レベルが正しく設定されていれば、背景の夜空は漆黒の闇として表現され、星々がより一層輝いて見え、奥行きのある美しい星空が映し出されます。しかし、黒レベルがずれて高い値に設定されていると、夜空は灰色がかって明るく表示され、星々の輝きもぼやけてしまい、本来の美しさが失われてしまいます。逆に黒レベルが低すぎると、夜空は真っ黒につぶれてしまい、星も見えなくなってしまいます。黒レベルは、テレビやディスプレイなどの表示装置によっても異なり、それぞれの装置に最適な黒レベルを設定することで、映像本来の美しさを最大限に引き出すことができます。映像制作において、黒レベルを正しく理解し、適切に設定することは、高品質な映像表現を実現するために非常に重要です。黒レベルの調整は、撮影時のカメラ設定や編集ソフトで行うことができます。映像制作の初心者の方は、まず表示装置の標準設定を使用し、徐々に調整していくことをお勧めします。経験を積むことで、自分の表現したい映像に最適な黒レベルを見つけることができるようになるでしょう。
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映像の土台:ペデスタルレベルとは?

動画を作る上で、黒色の表現は画面全体の印象を左右する重要な要素です。例えば、夜空の暗闇や影の深み、明るい部分と暗い部分の対比など、黒色の表現次第で映像の奥行きや立体感が大きく変わってきます。この黒色の基準となるのが、明るさのレベルを示す「台座の高さ」のようなものです。これは、映像信号の中で明るさを数値で表すときの、0パーセントに当たる部分です。アメリカの電気電子技術者協会が定めた基準では、0アイアールイーとされています。この「台座の高さ」は、テレビ画面に何も映っていない、画面が次の画面を描く準備をしている間の信号のレベルと同じです。つまり、黒色の基準点として機能しているのです。この基準点があるおかげで、私たちは映像の中の黒色をきちんと黒色として認識できます。もし、この「台座の高さ」が正しく設定されていないと、本来黒色で表示されるべき部分が灰色っぽく見えたり、黒色が潰れてしまったり、逆に明るい部分が白飛びしてしまったりします。例えば、暗い洞窟の中を表現しようとした時に、「台座の高さ」が高いと、洞窟内が灰色っぽくなり、暗闇の雰囲気が出せません。逆に、「台座の高さ」が低いと、洞窟内のわずかな光も表現できず、真っ黒な画面になってしまいます。このように、「台座の高さ」の設定が適切でないと、映像全体の品質が著しく低下してしまいます。黒色の基準を正しく設定することは、映像の土台をしっかりと固めることと同じくらい重要であり、高品質な映像制作には欠かせない要素と言えるでしょう。