フロントフォーカス

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撮影機器

動画撮影の極意:インナーフォーカスとは?

動画を撮影する際、くっきりとした映像を撮るには、被写体に的確に焦点を合わせることがとても大切です。この焦点を合わせる、つまりピント合わせの仕組みには、大きく分けて二つの種類があります。一つ目は、レンズの一番前にあるレンズ、いわゆる前玉を前後に動かすことでピントを合わせる方法です。これは前玉回転式焦点機構と呼ばれ、仕組みが単純で、比較的安価に作れるという利点があります。しかし、レンズの全長が変化するため、動画撮影中にズーム操作を行うとピント位置がずれてしまうことがあります。また、前玉が回転するため、偏光フィルターなど回転式のフィルターを使う際に不便が生じることもあります。二つ目は、レンズ内部の複数のレンズを動かすことでピントを合わせる方法です。これは内部焦点機構と呼ばれています。レンズの全長が変化しないため、動画撮影中にズーム操作を行ってもピント位置がずれません。また、前玉が回転しないため、偏光フィルターなども問題なく使用できます。機構が複雑になるため、前玉回転式に比べて高価になる傾向があります。しかし、動画撮影においては、ピント位置の安定性やフィルター操作の利便性から、内部焦点機構が主流となっています。どちらの方式にも利点と欠点があるため、撮影する状況や動画の内容に合わせて最適な方式を選ぶことが重要です。例えば、動きの少ない被写体を撮影する場合や、予算を抑えたい場合は、前玉回転式焦点機構でも十分な場合があります。一方、動きのある被写体を追いかけたり、ズーム操作を頻繁に行う場合は、内部焦点機構の方が適しています。それぞれの仕組みを理解し、適切なレンズを選ぶことで、より鮮明で美しい動画を撮影することができるでしょう。