フレームレート

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撮影技術

残像効果と動画の関係

ものの見え方の不思議の一つに、残像というものがあります。これは、目に映ったものが、実際にはもうそこになくなっているのに、しばらくの間、私たちの目にまだ見えているように感じる現象です。たとえば、強い光を見た後、目を閉じると、しばらくの間、その光がぼんやりと残って見えることがあります。あるいは、回転する扇風機の羽根をしばらく見つめた後、目をそらすと、羽根が止まっているにもかかわらず、反対方向にゆっくりと回っているように見えることもあります。これらはすべて残像によるものです。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。私たちの目は、光を感じ取ることで物を見ています。光は、目の奥にある網膜という膜に届き、そこで光を感じる細胞を刺激します。この刺激が脳に伝わることで、私たちは物を見ることができるのです。強い光や長く続く刺激を受けると、この光を感じる細胞は興奮状態が続きます。刺激がなくなっても、細胞はすぐに元の状態に戻ることができず、興奮状態がしばらく続くため、実際にはもうない光や動きが、まだ見えているように感じてしまうのです。これが残像の仕組みです。この残像は、私たちの視覚にとって、とても大切な役割を担っています。もし残像がなければ、私たちは周りの景色が、まるでパラパラ漫画のように、断続的にしか見えなくなってしまいます。残像のおかげで、私たちは滑らかで連続的な動きとして、周りの景色を見ることができるのです。また、映画や動画も、この残像の性質を利用して作られています。映画は、実際には一枚一枚の静止画を高速で切り替えて映し出しているのですが、残像のおかげで、私たちはそれを滑らかな動きとして認識することができるのです。
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NTSC方式を詳しく解説

「エヌ・ティー・エス・シー方式」とは、ひとことで言うと、かつて日本でテレビ放送で使われていた色の見え方や信号を送るやり方の決まりのことです。正式には「全国テレビジョン方式委員会」の頭文字をとって、そう呼ばれています。この委員会は、アメリカでカラーテレビ放送のやり方を決めるために作られました。この方式のすごいところは、白黒テレビとの相性が良かったことです。カラー放送が始まっても、白黒テレビを持っている人でもそのまま番組を見ることができました。もちろん、白黒テレビでは色の情報は分からず、白黒の映像として映りましたが、新しいテレビを買わなくても見られるというのは当時としては画期的でした。画面のちらつきを抑える工夫もされていました。画面は毎秒30枚の絵を次々に切り替えることで動いているように見せているのですが、この切り替えの速さと画面の明るさを調整することで、ちらつきを少なくしていました。しかし、電波の状態が悪いと、色が変わってしまったり、画面がちらついたりすることがありました。エヌ・ティー・エス・シー方式は、日本だけでなく、アメリカ、カナダ、メキシコなど、多くの国で使われていました。しかし、技術の進歩とともに、よりきれいな映像で、たくさんの機能を持つデジタル放送が登場しました。そのため、日本では2011年にアナログ放送が終わり、エヌ・ティー・エス・シー方式の放送も見られなくなりました。今はもうテレビ放送では使われていませんが、昔のビデオテープやDVDには、この方式で録画された映像が残っていることがあります。ですから、昔の映像作品を見るときには、知っておくと役に立つ知識です。また、テレビ放送の歴史を学ぶ上でも、重要な方式です。
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動画編集の基礎知識:NDFタイムコードとは

動画を作る作業では、映像と音声をピッタリ合わせるために、タイムコードがとても大切です。これは、動画の各コマに、時間を表す特別な番号を付けていく方法です。この番号のおかげで、動画のどの部分を編集すればいいのかがすぐに分かり、作業がしやすくなります。タイムコードには、大きく分けて二つの種類があります。一つは「ドロップフレーム」と呼ばれる方式です。これは、テレビ放送で使われているもので、一秒間に約30コマという少し変わったコマ数に合わせて番号を付けていきます。厳密には29.97コマです。この方式では、より正確にテレビ放送の時間と合わせるため、特定の番号のコマを飛ばして記録していきます。少し複雑な仕組みですが、テレビ放送にはなくてはならないものです。もう一つは「ノンドロップフレーム」です。こちらは、映画やパソコンを使った動画編集でよく使われます。ドロップフレームのようにコマを飛ばさず、実際のコマ数とタイムコードの番号がピッタリ合っているので、計算が簡単です。例えば、30コマの動画の場合、一秒ごとに30、60、90と進んでいくので、管理が容易になります。どちらのタイムコードを使うかは、動画の用途によって決まります。テレビ放送用の動画であればドロップフレームを、それ以外の動画であればノンドロップフレームを使うのが一般的です。動画編集ソフトでは、どちらのタイムコードを使うか設定できるので、動画の目的に合わせて正しく設定することが重要です。適切なタイムコードを使うことで、映像と音声がずれることなく、スムーズな動画を作ることができます。
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動画の滑らかさの秘密:フレームレート

動画は、まるでパラパラ漫画のように、何枚もの静止画を連続して表示することで動いているように見せています。この一枚一枚の静止画をコマと呼びます。そして、動画を滑らかに見せるためには、このコマが一秒間にどれだけの枚数表示されるかが重要になります。この一秒間に表示されるコマの枚数をコマ数といい、単位は「コマ/秒」で表されます。英語では「frames per second」となり、「fps」と略して表記される場合もあります。例えば、「30コマ/秒」と書かれていれば、一秒間に30コマの静止画が切り替わって表示されているということです。このコマ数が多ければ多いほど、動画は滑らかに見えます。例えば、コマ数が少ない動画は、動きがカクカクしてぎこちなく見えることがあります。逆に、コマ数が多い動画は、動きが非常に滑らかで自然に見えます。動画を作る際には、このコマ数を目的に合わせて適切に設定する必要があります。例えば、ファイルの大きさを小さくしたい場合は、コマ数を少なく設定します。ただし、コマ数を少なくしすぎると、動画がカクカクして見づらくなってしまうため、注意が必要です。反対に、動きを滑らかに表現したい場合や、高画質の動画を作りたい場合は、コマ数を多く設定します。しかし、コマ数を多くすると、ファイルのサイズが大きくなるという欠点があります。そのため、動画の用途や目的に合わせて、適切なコマ数を設定することが重要となります。最近では、動画投稿サイトなど、動画を共有するための様々な仕組みが利用できるようになりましたが、これらの仕組みを利用する際にも、コマ数は動画の品質を左右する重要な要素となります。
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動画の基礎:コマの仕組み

動画は、まるで絵が動いているかのように見えますが、実はたくさんの静止画を連続して表示することで、動いているように見せているのです。この一枚一枚の静止画のことを「コマ」または「枠組み」と呼びます。パラパラ漫画を思い浮かべてみてください。パラパラ漫画は、少しだけ絵が異なる紙を何枚も重ね、それを素早くめくることで絵が動いているように見せるものです。動画も同じ仕組みで、たくさんのコマを連続して高速で表示することで、滑らかな動きを表現しているのです。動画を再生する機器には、コマ送りの機能が備わっていることがあります。この機能を使うと、動画を一時停止したり、コマを一枚ずつ進めたりすることができます。コマ送りをしてみると、動画が実は静止画の集まりであることを実感できるでしょう。一枚一枚のコマは静止画ですが、それが高速で切り替わることで、あたかも動いているかのように見えるのです。動画の種類や設定によって、一秒間に表示されるコマの数は異なります。このコマの数を「枠組みの割合」と呼び、「枠/秒」という単位で表します。例えば、「30枠/秒」と書かれていれば、一秒間に30コマの画像が表示されるという意味です。同様に、「60枠/秒」であれば、一秒間に60コマの画像が表示されます。一般的に、一秒間に表示されるコマの数が多いほど、動画は滑らかに見えます。30枠/秒の動画と60枠/秒の動画を比べてみると、60枠/秒の動画の方がより滑らかで、見ていて自然な動きだと感じるでしょう。これは、コマの数が多いほど、動きが細やかに表現されるためです。
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動画編集における非削除フレーム方式

動画を作る上で、動画がどのように動いているかを知っておくことはとても大切です。動画は、実はパラパラ漫画のように、たくさんの静止画が連続して表示されることで動いているように見えています。この一枚一枚の絵のことを「こま」、専門的には「フレーム」と呼びます。そして、一秒間に何枚のこまが表示されるかを「こま送り速度」、専門的には「フレームレート」と言います。色々なこま送り速度がありますが、代表的なものの一つに一秒間に30こまの速度があります。これを「非削除こま方式」と言います。この方式では、一秒間に必ず30こまが表示されると決まっているので、動画の長さから全体のこま数を簡単に計算することができます。例えば、一分間の動画であれば、60秒 × 30こま/秒 = 1800こまになります。一時間であれば、さらに60倍して、108000こまになります。この非削除こま方式の利点は、動画の長さを正確に管理できることです。こま送り速度が常に一定なので、動画のどの部分を編集する場合でも、時間のずれを気にすることなく作業を進めることができます。特に、こま単位で細かく編集する必要がある場合、この方式はとても役に立ちます。例えば、動画の一部を削除したり、別の動画を挿入したりする際に、非削除こま方式であれば、こま数に基づいて正確に編集できるので、音と映像のずれが生じる心配がありません。動画編集ソフトの中には、この非削除こま方式を採用しているものがあり、正確でスムーズな編集作業を可能にしています。
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ドロップフレームの基礎知識

動画を扱う上で、時間の管理はとても大切です。特にテレビ放送などでは、正確な時間に合わせて番組を流す必要があります。そこで登場するのが「落とし込みコマ送り」と呼ばれる技術です。落とし込みコマ送りとは、動画の時間情報を記録するタイムコードという仕組みに使われる特殊な方法です。普段私たちが目にする動画は、たくさんのコマ送り写真が連続して表示されることで動いているように見えます。1秒間に表示されるコマ送りの枚数をフレームレートと言いますが、アメリカのテレビ放送で使われている「エヌ・ティー・エス・シー方式」では、1秒間に29.97コマ送りと、少し変わった数字が使われています。これは、本来30コマ送りであるべきところが、技術的な理由で少しだけ遅くなっているためです。このわずかな差が、長時間になると大きなズレになってしまいます。例えば、1時間番組だと約1秒ほどのズレが生じてしまいます。そこで、落とし込みコマ送り方式では、このズレを修正するために、特定のタイミングで2コマ送りを飛ばすという方法をとっています。具体的には、毎分0秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒を除く分の開始時に、0番目と1番目のコマ送りを飛ばします。つまり、実際にはコマ送りがあるにも関わらず、タイムコード上では無いものとして扱います。少し分かりにくい仕組みですが、コマ送りを飛ばすことでタイムコードと実際の時間のズレを小さくすることができます。このおかげで、テレビ局は正確な時間管理を行いながら番組を放送できるのです。一見複雑な落とし込みコマ送り方式ですが、正確な時間管理が求められる放送においては、なくてはならない重要な技術と言えるでしょう。
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動画の滑らかさの秘密:フレームレート

動画は、実はたくさんの静止画を連続して表示することで、動いているように見せているものです。まるでパラパラ漫画のように、一枚一枚の絵が次々に切り替わることで、動きが生まれます。この、一秒間に何枚の絵を表示するかを表すのが「コマ数」で、専門用語では「フレームレート」と呼ばれます。単位は「エフピーエス」と読む「fps」を用い、例えば「24fps」と書かれていれば、一秒間に24枚の絵が表示されていることを意味します。このコマ数が、動画の滑らかさを決める重要な役割を担っています。パラパラ漫画を想像してみてください。ページをめくる速度が遅ければ、絵の変化が大きく、動きはカクカクして見えます。逆に、ページをめくる速度が速ければ、絵の変化は小さく、滑らかに動いているように見えます。コマ数も同じで、数値が大きいほど、つまり一秒間に表示される絵の枚数が多いほど、動画は滑らかに見えます。例えば、24fpsよりも60fpsの方が、より滑らかな動画になります。コマ数の違いは、動画の見え方に大きく影響します。コマ数が少ない、つまりフレームレートが低いと、動きがぎこちなく感じられ、見ている人に不自然な印象を与えてしまいます。特に、速い動きの場面では、残像が見えたり、カクカクとした動きが目立ったりして、見づらくなることがあります。反対に、コマ数が多い、つまりフレームレートが高いと、動きは滑らかで自然に見え、見ている人は違和感なく動画を楽しむことができます。速い動きの場面でも、細部まで鮮明に捉えることができ、まるで現実世界を見ているかのような臨場感を味わえます。このように、コマ数は動画の品質を決める非常に重要な要素なのです。
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動画編集の基礎知識:動画ファイルについて

動画とは、連続した静止画を高速で表示することで、動きがあるように見せる技術、また、その技術を使って作られた映像作品のことを指します。仕組みは、パラパラ漫画とよく似ています。パラパラ漫画は、一枚一枚の絵は動いていませんが、それを速くめくると、まるで絵が動いているように見えますよね。動画もこれと同じで、たくさんの静止画を次々に表示することで、動きの錯覚を起こさせています。これらの静止画一つ一つは「こま」と呼ばれ、一秒間に表示される「こま」の数を「こま送り速度」といいます。こま送り速度が高いほど、映像は滑らかに動きます。例えば、こま送り速度が低いと、カクカクとした動きに見えますが、こま送り速度が高いと、まるで現実世界のように滑らかな動きになります。動画には、たいてい音声も含まれていますが、映像だけのものもあります。動画を保存する方法は様々で、それぞれに良さがあります。例えば、ある保存方法は画質が良い代わりにファイルの大きさが大きくなってしまい、別の保存方法はファイルの大きさは小さいけれど画質が下がってしまう、といった具合です。動画編集用の道具を使えば、これらの動画を加工したり、複数の動画をつなぎ合わせたり、効果を加えたりすることができます。動画編集用の道具には、切り詰めたり、つなぎ合わせたり、色味を調整したり、文字を入れたりといった様々な機能があり、思い通りの動画を作ることができます。また、動画に音楽や効果音を加えることも可能です。このように、動画は静止画の連続によって動いているように見せる技術であり、様々な方法で編集・加工することで、より豊かな表現ができるものとなっています。
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動画と時間のずれを防ぐ技術

私たちは、テレビなどで流れる動画を滑らかに動いているものとして見ていますが、実際には一枚一枚の静止画が連続して表示されているのです。この静止画のことを「コマ」と呼び、一秒間に何コマ表示するかで動画の滑らかさが決まります。コマ送りのように、表示されるコマの数が少なければ、動きはカクカクしたものになりますし、コマの数が多ければ、滑らかな動きになります。ところで、「エヌ・ティー・エス・シー方式」と呼ばれる、色彩のある映像を伝えるための仕組みでは、一秒間に29.97コマという、30コマよりもわずかに少ない数を使っています。なぜ、このような中途半端な数になっているのでしょうか。それは、白黒テレビからカラーテレビに移行する際に、技術的な都合でこの数になったという歴史的な背景があるからです。しかし、このわずかな差が、時間のずれという問題を生み出します。動画の各コマに時間を割り当てる「タイムコード」という仕組みがありますが、もし単純に30コマで一秒と数えてしまうと、実際の時間とずれが生じてしまうのです。例えば、1時間たつと、108コマ、つまり3.6秒ものずれが生じます。これは、1時間あたり約4秒のずれに相当します。2時間の動画であれば、約8秒、3時間なら約12秒ものずれが生じることになります。このように、長時間の動画になればなるほど、このずれは無視できないものになっていきます。特に、生放送やスポーツ中継のように、正確な時間が重要な動画では、このずれを修正する必要があるのです。
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コマ落とし撮影:早回し動画の作り方

動画におけるコマ落としとは、一秒間に記録する画像の枚数を減らして撮影する技法のことです。普段私たちが目にする動画は、滑らかに動いているように見えますが、これは実際にはたくさんの静止画を連続して表示することで、動きの錯覚を作り出しているためです。たとえば、映画では一秒間に二十四枚の画像が使われています。コマ落としでは、この枚数を意図的に減らします。たとえば、一秒間に十二枚の画像で撮影し、それを一秒間に二十四枚の画像を映し出す通常の速度で再生すると、どうなるでしょうか。一秒間に十二枚しか記録されていない映像を、一秒間に二十四枚の画像として再生しようとすると、記録された画像は実際の時間の流れよりも速く、二倍の速度で動いているように見えます。これがコマ落としの基本的な仕組みです。コマ落としは、時間の流れをぎゅっと縮める効果を生み出します。たとえば、植物の成長は、肉眼ではなかなか変化が分かりづらいものです。しかし、数日間に渡って撮影した画像をコマ落としで繋げば、芽が出て葉が伸びていく様子を短い時間で表現することができます。同じように、空を流れる雲の動きや、街を行き交う人々の様子なども、コマ落としによって印象的に見せることができます。コマ落としは、早回し効果だけでなく、独特の雰囲気を作り出すためにも使われます。動きが速くなることで、コミカルな表現に繋がることもありますし、逆に、通常とは異なる時間の流れによって、ある種の緊迫感を演出することもできます。コマ落としは、表現の幅を広げるための強力なツールと言えるでしょう。