ビデオレベル

記事数:(2)

画質

映像の白飛びを防ぐ!ホワイトクリップとは?

映像を制作する上で「白飛び」は気を付けなければならない現象の一つです。白飛びとは、簡単に言うと、明るすぎる部分が真っ白になり、本来あるべき模様や形が分からなくなってしまうことです。白い壁、青空、照明など、明るい被写体で起こりやすい現象です。例えば、白い服のしわや模様を撮影する場合を考えてみましょう。適切な明るさで撮影されていれば、布の質感や縫い目までしっかりと映し出されます。しかし、白飛びしてしまうと、これらの細かい部分が全て真っ白に塗りつぶされてしまい、のっぺりとした印象になってしまいます。空の雲も同様です。白飛びしていない状態では、雲の輪郭や、微妙な色の変化を楽しむことができます。しかし、白飛びしてしまうと、雲の形がぼやけてしまい、空全体が白っぽく見えてしまいます。白飛びは映像の質を下げるだけでなく、見る人の印象も悪くすることがあります。明るい部分が明るすぎて、目がチカチカしたり、不自然に感じたりすることがあるからです。せっかく心を込めて撮影した映像も、白飛びによって台無しになってしまうのは非常にもったいないことです。白飛びを防ぐには、撮影時の設定が重要になります。カメラの明るさを調整する機能を使って、被写体の明るさを適切な範囲に収める必要があります。また、被写体への光の当たり具合を調整することも有効です。直射日光が当たる場所では白飛びしやすいので、日陰に移動したり、光を遮るものを利用したりするなどの工夫が必要です。もし撮影後に白飛びに気づいたとしても、完全に元通りにするのは難しいので、撮影段階でしっかりと対策することが大切です。
規格

映像の土台:ペデスタルレベルとは?

動画を作る上で、黒色の表現は画面全体の印象を左右する重要な要素です。例えば、夜空の暗闇や影の深み、明るい部分と暗い部分の対比など、黒色の表現次第で映像の奥行きや立体感が大きく変わってきます。この黒色の基準となるのが、明るさのレベルを示す「台座の高さ」のようなものです。これは、映像信号の中で明るさを数値で表すときの、0パーセントに当たる部分です。アメリカの電気電子技術者協会が定めた基準では、0アイアールイーとされています。この「台座の高さ」は、テレビ画面に何も映っていない、画面が次の画面を描く準備をしている間の信号のレベルと同じです。つまり、黒色の基準点として機能しているのです。この基準点があるおかげで、私たちは映像の中の黒色をきちんと黒色として認識できます。もし、この「台座の高さ」が正しく設定されていないと、本来黒色で表示されるべき部分が灰色っぽく見えたり、黒色が潰れてしまったり、逆に明るい部分が白飛びしてしまったりします。例えば、暗い洞窟の中を表現しようとした時に、「台座の高さ」が高いと、洞窟内が灰色っぽくなり、暗闇の雰囲気が出せません。逆に、「台座の高さ」が低いと、洞窟内のわずかな光も表現できず、真っ黒な画面になってしまいます。このように、「台座の高さ」の設定が適切でないと、映像全体の品質が著しく低下してしまいます。黒色の基準を正しく設定することは、映像の土台をしっかりと固めることと同じくらい重要であり、高品質な映像制作には欠かせない要素と言えるでしょう。