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量子化:デジタル動画の基礎知識

動画を計算機で扱うには、まず動画の情報を計算機が理解できる形に変換する必要があります。動画はもともと連続的に変化する信号で記録されていますが、計算機は飛び飛びの値しか扱うことができません。この連続的な値を飛び飛びの値に変換する過程全体をデジタル化と言い、その中でも特に重要な処理が量子化です。量子化を説明するのに、体温計を例に考えてみましょう。体温計の水銀柱は、体温の上昇とともに滑らかに上昇します。これは連続的な値の変化です。しかし、私たちが体温を読み取る際には、目盛りの値で表します。例えば、36.7度や36.8度といった具合です。水銀柱の高さという連続的な値を、最も近い目盛りの値という飛び飛びの値で表す、この作業が量子化です。動画もこれと同じように、明るさや色の情報は連続的な値で表現されます。例えば、空の色は場所や時間によって微妙に変化しますが、これらの微妙な変化全てを計算機で扱うのは大変です。そこで、量子化によってこれらの連続的な値を飛び飛びの値に変換します。具体的には、色の情報を赤、緑、青の三原色の組み合わせで表し、それぞれの色の強さを0から255までの整数で表現します。256段階に分けられた各段階を代表する値で、本来の色を近似的に表現するのです。量子化を行う際に重要なのが、何段階で表現するかという点です。段階数が多ければ色の変化を滑らかに表現できますが、データ量も大きくなります。逆に段階数が少なければデータ量は小さくなりますが、色の変化が滑らかではなくなり、階段状の模様が現れることがあります。このように、量子化はデータ量と画質のバランスを見ながら適切な段階数を選ぶ必要があります。動画制作において、高画質を維持しつつファイルサイズを抑えるためには、量子化の理解が欠かせません。
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動画と量子化:滑らかな映像の秘密

物の状態を段階的に表現することを量子化といいます。たとえば、温度計の目盛りが1度刻みであれば、その温度計では20度、21度といったようにしか測れません。0.5度のような間の値は測れないのです。これが量子化です。動画制作の世界でも同じことが起こります。カメラは光や音を捉えますが、これらは本来連続的な変化を持っています。しかし、コンピュータで扱うには、これらの連続的な値を段階的な数値に変換する必要があります。この変換処理こそが量子化です。具体的には、カメラが捉えた光や音の波を一定の時間間隔で切り取り、その瞬間の強さを数値にします。この作業は、ちょうど温度計で温度を測るように、連続的な変化を飛び飛びの値に変換していることになります。そして、この数値化されたデータが、コンピュータで処理できるデジタルデータとなるのです。この量子化の細かさを決めるのが「ビット」と呼ばれる単位です。8ビットであれば256段階、10ビットであれば1024段階と、ビット数が多いほど、より細かい間隔で表現できます。色の濃淡で例えると、8ビットでは256色の濃淡しか表現できませんが、10ビットでは1024色もの濃淡を表現できます。色の変化が滑らかになり、より自然で美しい映像を作れるのです。量子化ビット数が多いほど、元の情報により近い、高品質なデジタルデータを作れます。しかし、データ量は増えるため、編集作業の負担も大きくなります。動画の用途や目的に合わせて、適切なビット数を選ぶことが大切です。