
AfterEffectsで透明部分を活かす合成術
動画を作る際に、複数の絵を重ねることはよくあります。例えば、背景の上に人物を配置したり、効果を加えたりする場面です。この時、重ねる絵の順番によって、下の絵が隠れてしまうことがあります。しかし、上の絵の透明な部分をそのまま残し、下の絵を透けて見せたい場合があります。例えば、木の影絵の上に雪を降らせる効果を加えたい時、木の影絵の形に合わせて雪を降らせ、背景はそのまま透けて見えるようにしたい、といった場合です。動画編集の道具、アフターエフェクツには、上の絵の透明な部分を保ちつつ、下の絵と組み合わせる機能があります。この機能を使うと、上の絵が下の絵を完全に覆い隠すのではなく、透明な部分は下の絵が透けて見えるようになります。具体例として、木の葉の形に切り抜かれた絵があるとします。この上に、輝く光の粒をたくさん散りばめたいとします。普通に重ねると、葉っぱの絵全体が光の粒で覆われてしまいますが、この機能を使えば、葉っぱの形に合わせて光の粒が表示され、葉っぱ以外の背景部分は透けたままになります。背景を別に用意する必要がないため、作業の手間が省け、作業の効率も上がります。また、複雑な形のものにも対応できるため、様々な場面で役立ちます。例えば、人物の形に切り抜かれた絵の上に雨を降らせる効果を加える場合、人物の輪郭に合わせて雨が降り、背景はそのまま見えるようにできます。このように、この機能は動画に奥行きと繊細な表現を加えるのに役立つ、大変便利な機能です。