デシベル

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音声

音量調整の要、ゲインを理解しよう

{音の大きさの変わり具合を調整する}ために「ゲイン」という言葉を使います。音を取り扱う機械、例えば音を拾う機械や音を大きくする機械、音を混ぜる機械などには、ほぼ必ずと言っていいほどゲインの調整機能がついています。ゲインとは、入ってきた音の大きさと出ていく音の大きさを比べることで、その変化の割合を数字で表したものです。例えば、小さな声で話した音声を録音したとします。この録音された音は小さくて聞き取りにくいので、音を大きくする必要があります。この時、ゲインを上げることで音量を大きくすることができます。反対に、大きな音で話した音声を録音したとします。この録音された音は大きすぎて音が割れてしまっている場合、ゲインを下げることで適切な音量に調整できます。音の大きさの変化具合は「デシベル」という単位を使って表します。デシベルは、変化の割合を計算で求めたものなので、ゲインの数字が大きくなればなるほど、実際の音の大きさの変化も大きくなります。例えば、ゲインを少しだけ上げただけでは、音の大きさの変化はあまり感じられません。しかし、ゲインを大きく上げると、音の大きさも大きく変わります。ゲインの調整は、クリアで聞き取りやすい音声を録音するためにとても大切です。ゲインを適切に設定することで、録音した音声が小さすぎたり、大きすぎたりすることを防ぎ、聞きやすい音声を録音することができます。ゲインの設定を間違えると、音が小さくて聞き取りにくかったり、音が割れて耳障りな音になったりしてしまいます。そのため、録音する際には、ゲインの調整に注意を払い、適切な音量で録音することが重要です。
音声

ダイナミックレンジを理解する

映像や音声の持つ奥行き、豊かさを表現する上で、「動きの幅」は欠かせない要素です。この動きの幅は、専門用語で「ダイナミックレンジ」と呼ばれ、映像における明るさの範囲、音声における音の大きさの範囲を示しています。例えば、晴天の日に撮影した風景を考えてみましょう。太陽の光は非常に強く、周りの木々や地面は比較的暗くなっています。この明るさの差が大きいほど、動きの幅が広く、より現実的で鮮やかな映像となります。まるでその場に立っているかのような、空気感までも感じられるかもしれません。反対に、動きの幅が狭い映像は、全体的に明るさが平坦で、のっぺりとした印象を与えてしまいます。細部まで描き切れていないため、実物よりも薄っぺらに感じられるのです。音声に関しても同じことが言えます。ささやき声のように小さな音と、雷鳴のような大きな音。この音の大きさの差が大きいほど、動きの幅が広いと言えます。動きの幅が広い音声は、静寂なシーンでのかすかな物音から、アクションシーンでの激しい爆音まで、あらゆる音を忠実に再現できます。まるで映画館にいるかのような、臨場感あふれる体験をもたらしてくれるでしょう。反対に、動きの幅が狭い音声は、音の強弱が表現されにくく、迫力に欠けるものになってしまいます。人間の耳は、非常に広い動きの幅を聞き取ることが可能です。そのため、動きの幅が広い音声は、より自然で、耳に心地よく、現実世界に近い音として感じられます。高品質な音楽や映画を楽しむためには、この動きの幅が重要な役割を果たしているのです。
音声

ダイナミックレンジを理解する

動画作りを始めるにあたって、音と映像の良し悪しは、出来上がりの印象を大きく左右する大切な点です。まるで料理の味付けと同じように、これらが作品の出来栄えに直結すると言っても過言ではありません。音と映像の質の高さを考える際に、必ず知っておきたいのが「表現の幅」です。この「表現の幅」こそが専門用語で言う「ダイナミックレンジ」です。ダイナミックレンジとは、音や映像における最も大きな部分と最も小さな部分の差のことを指します。例えば、静かなささやき声と大音量の雷鳴、暗い夜空と明るい太陽など、その差が大きいほど、表現できる範囲が広がります。この幅が広いと、まるで現実世界を見ているかのような、生き生きとした表現が可能になります。例えば、オーケストラの演奏を録画する場合を考えてみましょう。ダイナミックレンジが狭いと、楽器の音量の差がうまく表現できず、迫力に欠けた平坦な録音になってしまいます。しかし、ダイナミックレンジが広いと、静かな弦楽器の音色から、力強いティンパニの響きまで、全ての音がクリアに捉えられ、臨場感あふれる音響を実現できます。映像においても同様で、暗い部分と明るい部分の差が大きいほど、奥行き感や立体感が増し、よりリアルな映像となります。例えば、夕焼けの風景を撮影する場合、ダイナミックレンジが広いと、燃えるような夕焼けの赤と、建物の影の暗さを同時に鮮明に表現できます。ダイナミックレンジを理解することは、質の高い動画を作るための最初のステップと言えるでしょう。この概念をしっかりと掴むことで、撮影や編集の際に、音や映像の表現力を最大限に引き出すことができます。本記事では、これからダイナミックレンジの基本的な考え方から、動画制作での具体的な使い方まで、丁寧に説明していきます。ぜひ、最後まで読んで、動画制作の技術向上に役立ててください。