テストトーン

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音声

アジマス調整でクリアな音声を実現

録音再生機、特にカセットテープやオープンリールといった磁気テープを使う機器で、音質を一番良い状態にするために欠かせないのがアジマス調整です。アジマスとは、録音するヘッドと再生するヘッドの角度のことです。この角度を調整することで、テープに記録された音を正しく読み取れるようにします。例えば、カセットテープに音を録音する様子を想像してみてください。録音ヘッドは、電気信号を磁気信号に変換し、テープに記録します。この時、ヘッドは一定の角度でテープに接触しています。再生する際も、再生ヘッドがテープに接触して磁気信号を読み取り、電気信号に変換して音を出します。録音ヘッドと再生ヘッドの角度が少しでもずれていると、記録された磁気信号を正確に読み取ることができません。これは、ちょうど映画フィルムの映写機で、フィルムと映写機の歯車がずれていると、映像がぼやけたり、音声が途切れたりするのと似ています。アジマス調整が適切でないと、高い音が小さくなったり、左右の音の広がり(ステレオ感)が失われたりします。ひどい場合には、音が全く聞こえなくなることもあります。近年のコンピューターや携帯音楽機器などでは、音をデジタルデータとして扱っているので、アジマス調整の必要はありません。しかし、カセットテープやオープンリールのようなアナログ機器、特に磁気テープを使う機器では、アジマス調整は非常に重要です。磁気テープに記録されたアナログ信号は、ヘッドの角度に非常に敏感で、わずかなずれでも音質に大きな影響を与えます。そのため、良い音で音楽を楽しむためには、アジマス調整は欠かせない作業と言えるでしょう。