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動画制作トラブル:シンチング対策

磁気テープに起こる「シンチング」とは、テープが波打ったり、縮んだり、折れ曲がったり、ひどい時には段差ができる現象のことです。まるで蛇腹のように見えることから、別名「蛇腹変形」とも呼ばれています。具体的には、巻かれているテープとテープの間に隙間ができてしまう状態を指します。このシンチング、一体なぜ起こるのでしょうか?主な原因は温度と湿度の変化です。特に気温が低い冬に発生しやすい現象として知られています。磁気テープは、温度や湿度の影響を受けて伸縮します。この伸縮が繰り返されることで、テープに歪みが生じ、シンチングが発生するのです。また、テープを巻き取る際の張力もシンチングに大きく関わっています。張力が低いと、テープがたるみ、しっかりと巻き取ることができません。このたるみが原因で、テープ同士がくっついたり、滑ったりすることで、シンチングが発生しやすくなります。適切な張力で巻き取ることが、シンチングを防ぐ重要なポイントとなります。近年、映像記録の主流はデジタル化に移行し、磁気テープを使用する機会は少なくなりました。しかし、過去の貴重な映像資産は、今もなお磁気テープに記録されているものが多く存在します。そのため、これらの映像資産を扱う際には、シンチングへの注意が必要です。適切な温度と湿度で保管すること、そして再生時にはテープの張力に気を配ることが、貴重な映像を守り、後世に伝えるために重要です。古い映像を扱う際は、これらの点に注意を払い、丁寧に扱うように心がけましょう。