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撮影技術

動画編集の必須知識!想定線とは?

動画を作る仕事では、登場人物どうしの位置関係をはっきりさせることがとても大切です。そこで使われるのが「想定線」という考え方です。たとえば、二人の人が向き合っている場面を想像してみてください。この二人の間には、目には見えないけれど一本の線が引かれていると考えてみましょう。これが想定線です。この線は、まるで二人の間に張られた糸のようなもので、カメラはこの糸を絶対に越えてはならないルールがあります。これを「百八十度ルール」といいます。なぜこのルールが大切なのでしょうか。それは、この線を越えてしまうと、見ている人にとって二人の位置がひっくり返って見えてしまうからです。たとえば、右側にいた人が急に左側に、左側にいた人が急に右側に移動してしまうと、まるで瞬間移動でもしたかのように見えてしまいます。このような映像は見ている人を混乱させてしまい、お話に集中できなくなってしまいます。想定線を意識して撮影することで、登場人物たちの立ち位置が一貫して保たれます。たとえば、会話の場面で、カメラが想定線の同じ側から二人の様子を交互に映し出すことで、見ている人は二人の位置関係を自然に理解することができます。まるで自分がその場にいて、二人の会話を見ているかのような感覚になるわけです。反対に、想定線を無視してカメラの位置を大きく変えてしまうと、見ている人は「あれ?さっきまで右側にいた人が、どうして左側にいるんだろう?」と混乱してしまい、お話に入り込めなくなってしまいます。想定線を守ることは、見ている人に自然で分かりやすい映像を届けるための基本であり、動画制作においてとても重要なことなのです。映画やドラマなど、様々な映像作品でこのルールは守られており、見ている人が違和感なく物語に集中できるよう工夫されています。