コマ落とし撮影:早回し動画の作り方

コマ落とし撮影:早回し動画の作り方

動画を作りたい

先生、コマ落としってどういう意味ですか?動きが速くなるってどういうことですか?

動画制作専門家

いい質問だね。普段見ている動画は1秒間に24枚の絵がパラパラ漫画のように繋がっているんだ。コマ落としは、例えば1秒間に12枚しか絵を撮らない撮影方法のことだよ。1秒間に12枚しか撮っていないのに、それを24枚の絵として再生すると、2秒分の動きが1秒に詰め込まれるから、動きが速く見えるんだ。

動画を作りたい

なるほど。つまり、少ない枚数で撮影したものを、普通の速さで再生するから速く見えるんですね。

動画制作専門家

その通り!コマ送りの反対で、1秒間に24枚より多く撮影する場合は、ゆっくりとした動きになるんだよ。これはコマ増しと呼ばれるよ。

コマ落としとは。

動画を作る時の言葉で「コマ落とし」というものがあります。これは、一秒間にどれだけの絵を撮るかを少なくして撮影する方法です。たとえば、映画用のカメラは普通一秒間に24枚の絵を撮りますが、コマ落としではそれよりも少ない枚数で撮ります。こうして撮った映像を普通の速さで再生すると、動きが速く見えます。これは、微速度撮影と呼ばれる撮影方法と関係があります。

コマ落としの基本

コマ落としの基本

動画におけるコマ落としとは、一秒間に記録する画像の枚数を減らして撮影する技法のことです。普段私たちが目にする動画は、滑らかに動いているように見えますが、これは実際にはたくさんの静止画を連続して表示することで、動きの錯覚を作り出しているためです。たとえば、映画では一秒間に二十四枚の画像が使われています。コマ落としでは、この枚数を意図的に減らします。

たとえば、一秒間に十二枚の画像で撮影し、それを一秒間に二十四枚の画像を映し出す通常の速度で再生すると、どうなるでしょうか。一秒間に十二枚しか記録されていない映像を、一秒間に二十四枚の画像として再生しようとすると、記録された画像は実際の時間の流れよりも速く、二倍の速度で動いているように見えます。これがコマ落としの基本的な仕組みです。

コマ落としは、時間の流れをぎゅっと縮める効果を生み出します。たとえば、植物の成長は、肉眼ではなかなか変化が分かりづらいものです。しかし、数日間に渡って撮影した画像をコマ落としで繋げば、芽が出て葉が伸びていく様子を短い時間で表現することができます。同じように、空を流れる雲の動きや、街を行き交う人々の様子なども、コマ落としによって印象的に見せることができます。

コマ落としは、早回し効果だけでなく、独特の雰囲気を作り出すためにも使われます。動きが速くなることで、コミカルな表現に繋がることもありますし、逆に、通常とは異なる時間の流れによって、ある種の緊迫感を演出することもできます。コマ落としは、表現の幅を広げるための強力なツールと言えるでしょう。

効果 説明
早回し効果 記録する画像の枚数を減らし、通常の速度で再生することで、実際の時間の流れよりも速く見える効果 植物の成長、雲の動き、街を行き交う人々
独特の雰囲気 動きが速くなることで、コミカルな表現や緊迫感を演出

早回し効果の活用例

早回し効果の活用例

コマ送り動画を速く再生する早送り効果は、様々な映像作品で活用されています。自然を題材にした記録映像では、植物の芽吹きから成長、そして花の開花といったゆっくりとした時間の流れを、短い時間で効果的に表現するために用いられています。視聴者は本来ならば数日、数週間あるいは数ヶ月かかる自然の変化を、わずか数秒の映像で体感することができるのです。また、都会の街並みを早送りで表現することで、人々の往来や車の流れをダイナミックに描き出し、都市の活気を印象的に伝えることもできます。早送りは、単に時間を縮めるだけでなく、独特のスピード感とリズムを生み出し、映像に躍動感を与える効果があります。

料理番組でも早送り効果はよく使われています。例えば、複数の工程を経て完成する手の込んだ料理を早送りで紹介することで、視聴者は短い時間で調理の手順全体を把握することができます。早送りによって、視聴者の時間を節約しつつ、必要な情報を分かりやすく伝えることができるのです。さらに、早送りは映像にコミカルな雰囲気を添えることも可能です。例えば、掃除の様子を早送りで表現すれば、慌ただしく動き回る様子がユーモラスに映り、視聴者を楽しませることができます。このように、早送り効果は映像表現の可能性を広げる強力な演出技法の一つと言えるでしょう。特に、変化の様子を短い時間で伝えたい場合や、映像にリズムやテンポを加えたい場合、あるいは映像にユーモアを添えたい場合などに効果を発揮します。早送り効果を適切に用いることで、より印象的で魅力的な映像作品を制作することができるでしょう。

場面 早送りの効果
自然 植物の芽吹きから成長、開花といったゆっくりとした時間の流れを短い時間で効果的に表現
都会 人々の往来や車の流れをダイナミックに描き出し、都市の活気を印象的に伝える
全般 単に時間を縮めるだけでなく、独特のスピード感とリズムを生み出し、映像に躍動感を与える
料理番組 視聴者は短い時間で調理の手順全体を把握できる / 視聴者の時間を節約しつつ、必要な情報を分かりやすく伝える
掃除 慌ただしく動き回る様子がユーモラスに映り、視聴者を楽しませる

コマ数と速度の関係

コマ数と速度の関係

動画の早回し効果は、撮影時に設定するコマ数と、普段見ている標準的な再生速度との関係で決まります。普段私たちが見ている動画は、一秒間に二十四枚の絵(コマ)が連続して表示されることで動いて見えます。これを毎秒二十四コマと呼びます。この毎秒二十四コマを基準として、コマ数を調整することで、早回し効果を作り出すことができます。

例えば、一秒間に十二枚の絵、つまり毎秒十二コマで撮影した映像を、毎秒二十四コマで再生すると、どうなるでしょうか。撮影したコマ数は本来の半分なので、同じ時間内に二倍の速さで映像が流れ、二倍速の早回し効果が生まれます。同様に、一秒間に八枚の絵(毎秒八コマ)で撮影した映像を毎秒二十四コマで再生すると、三倍速の早回し効果が得られます。さらに、毎秒六コマで撮影すると、四倍速の早回し効果になります。つまり、コマ数が少なくなるほど、再生時に映像が流れる速度は速くなるのです。

撮影する対象や、表現したい効果に合わせて、最適なコマ数を設定することが重要です。例えば、空をゆっくりと流れる雲の動きを表現したいとします。この場合、コマ数を少なく設定して撮影することで、時間の流れをぎゅっと縮めて見せることができます。数時間かけて撮影した雲の動きを、数十秒の短い映像にまとめることで、印象的な表現が可能になります。

一方、ある程度滑らかに動きつつ早回し効果も出したい場合は、コマ数を極端に少なくしすぎない方が良いでしょう。コマ数が少なすぎると、映像がカクカクして見えてしまい、見ている人が違和感を感じてしまう可能性があります。被写体の動きや求める効果に応じて、コマ数を調整し、バランスの良い映像作りを心がけましょう。

撮影コマ数 再生速度 早回し効果
毎秒24コマ 毎秒24コマ 等倍速
毎秒12コマ 毎秒24コマ 2倍速
毎秒8コマ 毎秒24コマ 3倍速
毎秒6コマ 毎秒24コマ 4倍速

コマ落としとタイムラプス撮影の違い

コマ落としとタイムラプス撮影の違い

時間の流れをぎゅっと縮めて見せる、コマ落としとタイムラプス。どちらも動画で時間を早く進める表現方法ですが、作り方が違います。

コマ落としは、普段のビデオカメラと同じように、途切れることなく映像を記録していきます。録画した映像を、後で再生する時に速度を調整することで、早送りのような効果を出します。例えば、一秒に30枚の絵を記録する設定で撮影したとします。これを、一秒に60枚の絵として再生すれば、全体が2倍の速さで動いているように見えます。

一方、タイムラプスは、決まった間隔で一枚ずつ写真を撮って、後でそれらの写真を繋げて動画にします。例えば、1分ごとに1枚写真を撮って、それを一秒間に30枚の絵として再生すると、1分間の出来事が半秒で見られるので、時間の流れが60倍になります。

タイムラプスは、コマ落としよりももっと長い時間の変化を記録するのに向いています。例えば、ビルが完成するまでの過程や、空をゆっくりと移動する星、植物が芽を出す様子などを記録するのに使われます。何日もかけて撮影した大量の写真を繋げるので、コマ落としよりも滑らかな早送り表現は難しいですが、数分、数秒に圧縮されたダイナミックな時間の流れを見せることができます。

コマ落としとタイムラプス、どちらも時間の流れを自由に操ることで、普段は見過ごしてしまうような現象を目に見えるようにし、見ている人に強い印象を与える映像表現を可能にします。

項目 コマ落とし タイムラプス
撮影方法 連続撮影 一定間隔で撮影
早送り効果 再生速度調整 撮影間隔と再生速度調整
時間の圧縮 比較的小さい 大きい
滑らかさ 滑らか やや粗い
用途 短時間の早送り 長時間の変化の記録
2倍速、4倍速など 植物の成長、星の動きなど

動画編集ソフトでの調整

動画編集ソフトでの調整

動画に動きをつける技法の一つに、コマ送りと呼ばれるものがあります。これは、動画を構成する画像を間引くことで、動きの速さを調整する技法です。コマ送りは、撮影時に設定する方法もありますが、動画編集ソフトを使って後から調整することもできます。

近年の動画編集ソフトには、ほぼ例外なく再生速度を変更する機能が備わっています。この機能を使えば、撮影した動画の速さを自由に調整できます。例えば、動きがゆったりしすぎた部分を倍速にすることで、テンポ良く見せることができます。逆に、動きが速すぎて見づらい部分は、再生速度を遅くすることで、視聴者に細部まで見せることができます。

動画編集ソフトの優れた点は、部分的に速度を変えることができる点です。動画全体を早送りするだけでなく、見せ場だけをゆっくり再生したり、逆に、あまり重要でない部分は早送りで済ませたりといった細やかな調整が可能です。そのため、撮影時にコマ数を特別に意識しなくても、後から自由に動画の速度を調整できます。

さらに、動画の場面転換にコマ送り効果を加えることで、動画全体のリズム感を向上させることも可能です。場面が急に切り替わるよりも、少し速度を上げて場面転換することで、視聴者にテンポの変化を感じさせ、動画にメリハリをつけることができます。

このように、動画編集ソフトを活用することで、コマ送りをはじめとする様々な動画効果を簡単に実現できます。撮影時の制約にとらわれず、自由に動画表現を追求できるため、動画制作の可能性が大きく広がります。

技法 効果 操作
コマ送り 動きの速さ調整 画像の間引き
倍速 テンポ良く見せる 再生速度変更
スロー再生 細部まで見せる 再生速度変更
部分的な速度変更 見せ場を強調、重要でない部分を短縮 再生速度変更
場面転換のコマ送り効果 動画のリズム感向上、メリハリ 再生速度変更