
オープンリールレコーダーの魅力
音を磁気テープに記録し、再びそれを音として再生する装置、それがオープンリールテープ録音機です。録音する時は、マイクなどからの電気信号を磁気ヘッドを通して磁気テープに磁気のパターンとして記録します。再生する時は、テープに記録された磁気パターンをヘッドが読み取り、電気信号に変換してスピーカーから音として出力します。カセットテープやビデオテープレコーダーも磁気テープを用いる装置ですが、オープンリールテープ録音機はリールが覆われておらず、むき出しになっているのが大きな特徴です。オープンリールテープ録音機には、供給リールと巻き取りリールという二つのリールがあります。テープは供給リールから送られ、録音・再生ヘッドを通過した後、巻き取りリールへと巻き取られます。この時、ヘッドがテープに磁気的な変化を与え、音の情報を記録します。再生時は、ヘッドがテープの磁気的な変化を読み取り、電気信号に変換することで音が再生されます。テープには様々な種類があり、幅や素材、厚さによって音質や録音時間が変化します。また、テープを動かす速度も音質に影響を与えます。速度が速いほど高音質になりますが、録音時間は短くなります。オープンリールテープ録音機は、かつては専門家向けの高音質録音装置として、音楽スタジオや放送局などで広く使われていました。その後、小型で扱いやすいカセットテープレコーダーの登場によって、一般家庭ではそちらが主流となりました。しかし近年、デジタル録音の普及により、アナログ録音ならではの温かみのある音質が見直され、オーディオ愛好家の間でオープンリールテープ録音機が再び注目を集めています。テープ hissと呼ばれるノイズもまた、アナログ録音特有の「味」として捉えられています。