動画を小さく!圧縮の秘密

動画を小さく!圧縮の秘密

動画を作りたい

『デジタル映像信号圧縮』って、データを小さくするっていう意味ですよね? なぜ、小さくできるんですか?

動画制作専門家

その通りです。データの大きさを小さくすることで、少ない容量で保存したり、速く送ったりできるようになります。小さくできる理由は、例えば、動画では前のコマと次のコマでほとんど変わらない部分が多いですよね? そういった情報をうまく利用して、データ量を減らしているんです。

動画を作りたい

なるほど! 同じような情報が繰り返されている部分はまとめて記録する、みたいな感じですか?

動画制作専門家

まさにそうです。例えば『空がずっと青い』というシーンでは、青いという情報を何度も繰り返す代わりに、『この色のまましばらく続く』という情報に変換することでデータ量を減らせます。JPEGやMPEGといった技術は、このような工夫を使って動画や画像のデータ量を小さくしているんですよ。

デジタル映像信号圧縮とは。

動画を作る上でよく出てくる『デジタル映像信号圧縮』って言葉について説明します。これは、デジタルの映像信号を、元の信号よりもデータの量を少なくして送ったり、保存したりできるように加工することです。近くの絵の点同士の情報は似ていることが多いので、見た目の画質が悪くならないように工夫して、デジタル処理を行います。写真の信号を小さくするJPEGや、動画の映像信号を小さくするMPEGなどがこの方法にあたります。

動画圧縮とは

動画圧縮とは

動画圧縮とは、動画データのファイルサイズを小さくするための技術です。動画は、そのままの状態では膨大なデータ量を持つため、保存する場所の容量を多く消費したり、インターネット上で送受信する際に時間がかかったりします。このような問題を解決するために、動画圧縮は必要不可欠な技術となっています。

動画を圧縮することで、まず、保存に必要な記憶容量を節約できます。例えば、パソコンやスマートフォンの容量を圧迫することなく、たくさんの動画を保存することが可能になります。また、インターネット回線が遅い場合でも、圧縮された小さなサイズの動画であれば、スムーズに視聴できます。さらに、動画編集作業においても、ファイルサイズが小さい方が処理速度が向上し、作業効率が上がります。

動画圧縮には、大きく分けて「非可逆圧縮」と「可逆圧縮」の二つの種類があります。「非可逆圧縮」は、画質を多少劣化させる代わりに、ファイルサイズを大幅に縮小できます。動画共有サイトなどにアップロードされている動画の多くは、この方式で圧縮されています。一方、「可逆圧縮」は、画質を全く劣化させずに圧縮する方法ですが、「非可逆圧縮」に比べて圧縮率は低くなります。画質を重視する場合や、編集作業で何度も圧縮と展開を繰り返す場合には、こちらの方式が適しています。

このように、動画圧縮は、動画を扱う上で様々なメリットをもたらします。動画をインターネットで共有したり、スマートフォンで撮影した動画を保存したり、動画編集ソフトで加工したりする際に、動画圧縮は重要な役割を担っています。動画技術の発展に伴い、高画質化や大容量化が進む中で、動画圧縮技術は今後ますます重要性を増していくでしょう。

動画圧縮とは

圧縮の仕組み

圧縮の仕組み

動画を小さくする技術、圧縮の仕組みについて詳しく説明します。動画を圧縮する方法は、大きく分けて二つの種類があります。一つは「非可逆圧縮」と呼ばれる方法、もう一つは「可逆圧縮」と呼ばれる方法です。

まず、非可逆圧縮について説明します。この方法は、画質を多少落とす代わりに、ファイルの大きさを劇的に小さくすることができます。例えるなら、絵を描く時に使う色の数を減らすようなものです。色の種類を減らすと、絵の細部は少しぼやけてしまいますが、使う絵の具は少なくて済みます。同じように、非可逆圧縮では動画の情報の一部を削ってしまうことで、データの量を減らしているのです。

次に、可逆圧縮について説明します。こちらは、画質を全く落とさずにファイルの大きさを小さくする方法です。不要な情報を整理して、必要な情報だけを残すイメージです。例えば、同じ文章が何度も繰り返されているとします。この場合、繰り返す代わりに「同じ文章を繰り返す」という指示を出せば、文章全体を短くできます。可逆圧縮もこれと同じように、データの無駄を省くことでファイルサイズを小さくします。

実際の動画圧縮では、これらの二つの方法を組み合わせることがほとんどです。動画の中で動きが少ない部分や、人間の目にはあまり区別できない細かい部分は、非可逆圧縮で大胆にデータ量を減らします。一方、重要な情報が含まれる部分は、可逆圧縮を使って画質を落とさずに小さくします。

さらに、動画の連続した場面をうまく利用する方法もあります。例えば、ほとんど変化のない静止画が連続して表示される場合、最初の場面の情報だけを保存しておき、後の場面では「最初の場面と同じ」という指示を出すだけで済みます。このように、変化のない部分を再利用することで、データ量を大幅に削減できるのです。

圧縮の仕組み

動画圧縮技術の種類

動画圧縮技術の種類

動画を小さく軽くする技術、動画圧縮技術には様々な種類があります。それぞれ画質を保ちつつファイルサイズを縮小するための、独自の工夫が凝らされています。ここでは代表的な動画圧縮技術をいくつかご紹介しましょう。

まず、動画圧縮技術の草分け的存在と言えるのがMPEGです。これは、ひと昔前の記憶媒体であるDVDなどで広く使われていました。次に登場したのがH.264です。MPEGに比べてより小さく動画を圧縮できるようになり、現在でもブルーレイディスクやインターネットで配信される動画などで使われています。H.264は現在最も普及している動画圧縮技術と言えるでしょう。

H.264の進化形として登場したのがH.265です。H.264よりもさらに高い圧縮率を実現しており、4Kや8Kといった高精細な動画を配信する際に役立っています。高精細な動画はファイルサイズが大きくなりがちですが、H.265のおかげで、インターネット回線がそれほど速くなくても高画質の動画を楽しむことができるようになりました。

近年注目を集めているのが、誰でも自由に使える、無料で開放された技術であるAV1です。他の動画圧縮技術と比べて、特許料を支払う必要がありません。そのため、様々な企業や団体が開発に参加し、急速に普及が進んでいます。

このように、動画圧縮技術は常に進化を続けています。今後も、より高画質で、より小さなファイルサイズの動画を実現する新しい技術が次々と開発されていくことでしょう。動画圧縮技術の進歩は、動画配信サービスの普及や高画質動画の視聴体験向上に大きく貢献しています。

動画圧縮技術 特徴 用途
MPEG 草分け的存在 DVD
H.264 現在最も普及、MPEGより高圧縮 ブルーレイディスク、インターネット動画配信
H.265 H.264の進化形、さらに高圧縮 4K/8K動画配信
AV1 無料で開放された技術 様々な企業、団体

静止画圧縮との違い

静止画圧縮との違い

一枚の絵を縮めるのと、動画を縮めるのは、どちらもデータの量を減らすのが目的ですが、やり方が違います。

絵の圧縮でよく使われるJPEGという方法は、一枚の絵の中にある同じような部分を探して、データ量を減らします。例えば、空の青い部分が広い範囲で同じ色なら、その情報をまとめて表現することで、データ量を減らすことができます。

一方、動画の圧縮は、連続した何枚もの絵の間にある似ている部分を活用します。動画はパラパラ漫画のように、少しだけ違う絵が連続して表示されることで動いているように見えます。なので、前の絵と次の絵でほとんど変わらない部分は、改めて全部の情報を記録する必要がありません。前の絵との違いだけを記録することで、データ量を大幅に減らせるのです。

例えば、景色の中で人が歩いている動画を想像してみてください。背景の景色はほとんど変わりませんが、人は少しずつ動いています。動画圧縮では、背景は最初の絵の情報を使い回し、変化している人の部分だけを記録することで、データ量を減らすことができます。これが、絵の圧縮と動画の圧縮の大きな違いです。

また、動画には絵だけでなく音の情報も含まれています。動画を圧縮する際には、音の情報も小さくする必要があります。音の圧縮には、AACやMP3といった方法が使われています。

このように、動画の圧縮は、絵の変化に着目した圧縮と、音の圧縮を組み合わせることで、全体のデータ量を小さくしています。つまり、動画の圧縮は、絵の圧縮よりも複雑で、多くの工夫が凝らされていると言えるでしょう。

種類 圧縮方法 詳細
静止画(例:JPEG) 類似部分のデータ量削減 一枚の絵の中で同じような部分(例:広い範囲の同じ色)を探して、情報をまとめて表現
動画 連続した絵の間の類似部分の活用
+ 音声データの圧縮
前の絵との違いだけを記録(例:背景は最初の絵の情報を使い回し、変化している人の部分だけを記録)
音声はAACやMP3などの方式で圧縮

今後の展望

今後の展望

動画を小さく軽くする技術、つまり動画圧縮技術は、これからもっともっと進化していくと考えられています。まるで現実のような世界を作り出す技術や、現実世界に情報を重ね合わせる技術、さらに仮想空間で活動できる技術などが広まるにつれて、高画質で、まるでその場にいるかのような動画を、手軽に小さく軽くする技術が必要とされています。

例えば、仮想現実の世界を体験する時、360度見渡せる動画を滑らかに表示するには、膨大なデータ量が必要になります。しかし、データ量が大きすぎると、読み込みに時間がかかったり、動きがカクカクしたりしてしまいます。そこで、動画の質を落とさずにデータ量を減らす、高性能な圧縮技術が必要となるのです。

また、人のように考え判断する技術を使った動画圧縮技術の開発も進んでいます。この技術を使うと、従来の方法よりももっと小さく軽くしながらも、画質を保つことができると期待されています。まるで魔法のような技術ですね。

さらに、インターネットを通じて様々な処理を行う技術も発展しています。この技術のおかげで、高性能な機械を使わなくても、誰でも簡単に高画質動画を小さく軽くできるようになるでしょう。

動画圧縮技術が進化していくことで、動画を見る機会はますます増え、私たちの生活はもっと楽しく便利になっていくでしょう。例えば、遠く離れた家族とまるで目の前にいるかのように会話したり、スポーツの試合を生で見ているかのような臨場感を味わえたりするようになるかもしれません。動画圧縮技術は、私たちの未来を明るく照らす、希望の光と言えるでしょう。

技術 メリット
高性能な動画圧縮技術 動画の質を落とさずにデータ量を減らす
AIを使った動画圧縮技術 従来より小さく軽く、高画質を維持
クラウドを利用した動画圧縮技術 高性能な機械がなくても高画質動画を圧縮可能