動画とフィールド:仕組みを理解する

動画とフィールド:仕組みを理解する

動画を作りたい

先生、『field』って単語がよくわからないんです。飛び越し走査と関係があるって書いてあるんですけど、具体的にどういう意味ですか?

動画制作専門家

そうですね。『field』はテレビ画面を描く時の、一部分のことです。昔のテレビは、画面を全部いっぺんに映すんじゃなくて、半分ずつ映していました。まず奇数番目の行を映し、次に偶数番目の行を映すんです。この半分ずつの画面のことを『field』と言います。

動画を作りたい

半分ずつ映すんですか? なぜそんなことをするんですか?

動画制作専門家

それは、昔のテレビの技術的な制約のためです。全部の行を一度に映すのは難しかったので、半分ずつ映すことで画面を速く切り替えて、動画のように見せていたんです。奇数フィールドと偶数フィールドの2つで、やっと1つの完全な画面(フレーム)になります。

fieldとは。

動画を作る際の言葉で『フィールド』というものがあります。テレビの画面は、走査線と呼ばれる線が上から下まで何本も並んでできています。古いテレビでは、この線を一度に全部表示するのではなく、最初は奇数番目の線だけ、次は偶数番目の線だけを表示する、という方法をとっていました。この奇数番目の線だけでできた画面、あるいは偶数番目の線だけでできた画面のことを『フィールド』と呼びます。そして、この二つのフィールドを組み合わせることで、やっと一枚の絵、つまり『フレーム』が完成します。奇数番目の線でできた画面を『奇数フィールド』、偶数番目の線でできた画面を『偶数フィールド』とも呼びます。

フィールドとは

フィールドとは

動画は、実はたくさんの静止画が連続して表示されることで動いているように見えています。この一枚一枚の静止画をフレームと言います。まるでパラパラ漫画のように、めくるスピードが速ければ速いほど、滑らかに動いているように見えるのです。

さて、少し古い時代のテレビ、特にブラウン管テレビでは、インターレース方式という技術が使われていました。この方式では、一つのフレームをさらに二つに分けて表示していたのです。この半分ずつの静止画を、フィールドと呼びます。

フィールドには、奇数フィールドと偶数フィールドの二種類があります。テレビ画面はたくさんの横線で描かれていますが、この横線を走査線と呼びます。奇数フィールドは、画面の上から1番目、3番目、5番目…といった奇数番目の走査線だけを表示します。一方、偶数フィールドは、2番目、4番目、6番目…といった偶数番目の走査線だけを表示します。つまり、一つのフィールドでは、画面全体の半分しか表示していないことになります。

では、どのようにして完全な映像を表示しているのでしょうか?実は、奇数フィールドと偶数フィールドを交互に、すごい速さで切り替えて表示しているのです。人間の目はこの切り替えの速さに追いつけないため、二つのフィールドが組み合わさって一つの完全なフレームとして認識され、滑らかな動画として見えるのです。

なぜこのような複雑なことをしていたのかというと、昔のテレビ放送では、電波で送れる情報量に限りがありました。そこで、このインターレース方式を使うことで、一度に送る情報量を半分に減らし、限られた電波でも動画を送れるように工夫していたのです。現代のテレビでは、ほとんどがプログレッシブ方式という、フレームをそのまま表示する方式に移行していますが、インターレース方式は、限られた技術の中で動画を実現するための、当時の技術者の知恵が詰まった素晴らしい技術と言えるでしょう。

項目 説明
フレーム 動画を構成する一枚一枚の静止画
インターレース方式 一つのフレームを奇数フィールドと偶数フィールドの2つに分けて表示する方式
フィールド インターレース方式におけるフレームの半分ずつの静止画。奇数フィールドと偶数フィールドがある。
奇数フィールド 奇数番目の走査線だけを表示するフィールド
偶数フィールド 偶数番目の走査線だけを表示するフィールド
走査線 テレビ画面を構成する横線
表示方法 奇数フィールドと偶数フィールドを高速で交互に表示することで、完全なフレームとして認識させる。
インターレース方式のメリット 電波で送る情報量を半分に減らせる。
プログレッシブ方式 フレームをそのまま表示する方式(現代の主流)

インターレース方式の仕組み

インターレース方式の仕組み

「インターレース方式」とは、昔のテレビや動画で使われていた画面表示の方法です。限られたデータ量で動画をスムーズに見せるための、人間の目の特性をうまく利用した技術です。

インターレース方式では、画面を一度に全部表示するのではなく、上半分と下半分に分けて表示します。まず、1番目、3番目、5番目…というように奇数番目の走査線をまとめて表示します。これを「奇数フィールド」と言います。次に、2番目、4番目、6番目…というように偶数番目の走査線をまとめて表示します。これを「偶数フィールド」と言います。

つまり、1枚の絵を半分ずつ、時間をずらして表示しているのです。人間の目は、このわずかな時間のずれを認識することが苦手です。そのため、二つのフィールドが組み合わさって、まるで一枚の絵として認識されます。

この方法の利点は、データ量を節約できることです。一度に全部の走査線を表示するよりも、半分ずつ表示する方が、必要なデータ量は半分で済みます。昔のテレビ放送や動画配信では、データを送るための回線が今ほど速くありませんでした。そこで、このインターレース方式を使うことで、限られた通信容量でも比較的滑らかな動画を表示することができました。

しかし、インターレース方式には欠点もあります。動きの速い場面では、奇数フィールドと偶数フィールドの時間のずれが目立ち、走査線がずれて見えてしまいます。これが画面のちらつきや、いわゆる「櫛状ノイズ」と呼ばれる現象の原因です。特に、斜めの線や細かい模様の部分でこの現象は顕著に現れます。近年では、通信技術の発達により、全ての走査線を一度に表示する「プログレッシブ方式」が主流となっています。プログレッシブ方式では、インターレース方式のようなちらつきが発生しないため、より鮮明で滑らかな映像を楽しむことができます。

項目 説明
インターレース方式 昔のテレビや動画で使われていた画面表示の方法。画面を奇数フィールドと偶数フィールドに分け、半分ずつ時間をずらして表示する。
奇数フィールド 1, 3, 5…番目の走査線をまとめて表示。
偶数フィールド 2, 4, 6…番目の走査線をまとめて表示。
利点 データ量を節約できる。
欠点 動きの速い場面で走査線のずれが目立ち、ちらつきや櫛状ノイズが発生する。
プログレッシブ方式 全ての走査線を一度に表示する方式。インターレース方式のようなちらつきが発生しない。近年では主流となっている。

奇数と偶数のフィールド

奇数と偶数のフィールド

動画は、実は静止画の連続によって作り出されています。これらの静止画は非常に速い速度で切り替わるため、私たちの目には動いているように見えます。この静止画一枚一枚のことをフレームと呼びますが、テレビやモニターなどの画面表示においては、さらに細かい単位である「フィールド」という概念が登場します。フィールドはフレームを構成する要素で、奇数フィールドと偶数フィールドの2種類が存在します

これらのフィールドは、画面の走査線を交互に描画することで、1つのフレームを完成させます。走査線とは、画面を構成する横線のことです。奇数フィールドは、1行目、3行目、5行目…といった奇数番号の走査線を担当し、偶数フィールドは、2行目、4行目、6行目…といった偶数番号の走査線を担当します。言いかえると、奇数フィールドは画面の上半分を、偶数フィールドは画面の下半分を描くようなイメージです。これらのフィールドが高速で交互に表示されることで、全体として1つのフレームが表現されます。

この交互表示方式はインターレース方式と呼ばれ、限られたデータ量で滑らかな動画を表現できるという利点があります。もし、フィールドを使わずに1度に全ての走査線を走査する方式(プログレッシブ方式)を採用すると、処理に必要なデータ量が倍になり、伝送速度や処理能力への負担が大きくなってしまいます。インターレース方式では、フィールドを交互に表示することで、データ量を半分に抑えつつ、人間の目の残像効果を利用して滑らかな動きを再現しているのです。ただし、動きが速い場面などでは、画面がちらついて見える場合があります。これは、奇数フィールドと偶数フィールドの走査線の間に時間差があるために起こる現象です。

奇数と偶数のフィールド

フィールドの表示順序

フィールドの表示順序

画面に映る映像は、たくさんの小さな区画に分けられて表示されています。この小さな区画一つ一つを「場」と呼びます。そして、この「場」が交互に、規則的に配置されて映像を作り上げています。この「場」の並び順のことを「場の表示順序」と言います。「場の表示順序」には主に二つの種類があります。

一つ目は「上場優先」と呼ばれる並び方です。この「上場優先」では、奇数番目の「場」、つまり1番目、3番目、5番目…という風に数えていく「場」が先に表示されます。その後、偶数番目の「場」、つまり2番目、4番目、6番目…と数えていく「場」が表示されます。ちょうど、上から順に「場」が積み重なっていく様子を想像すると分かりやすいでしょう。

二つ目は「下場優先」と呼ばれる並び方です。こちらは「上場優先」とは逆に、偶数番目の「場」が先に表示され、その後に奇数番目の「場」が表示されます。まるで、下から順に「場」を積み上げていくようなイメージです。

この「場の表示順序」は、動画を編集したり、再生したりする上でとても大切な要素です。もし「場の表示順序」の設定が間違っていると、画面がちらついたり、映像にズレが生じたりすることがあります。例えば、動きが速い場面で画面がチカチカと点滅するように見えたり、人物や物が本来の位置からずれて表示されたりすることがあります。このような不具合を防ぐためにも、「場の表示順序」は正しく設定されていなければなりません。動画編集ソフトなどでは、この「場の表示順序」を設定できる機能が備わっていることが多いので、必要に応じて適切な設定を選びましょう。

場の表示順序 説明 イメージ 不具合の例
上場優先 奇数番目の場(1, 3, 5…)が先に表示され、その後偶数番目の場(2, 4, 6…)が表示される。 上から順に場が積み重なる 画面のちらつき、映像のズレ(動きの速い場面での点滅、人物や物の位置ずれなど)
下場優先 偶数番目の場(2, 4, 6…)が先に表示され、その後奇数番目の場(1, 3, 5…)が表示される。 下から順に場が積み重なる

プログレッシブ方式との違い

プログレッシブ方式との違い

画面に映像を映す方法には、大きく分けて二つのやり方があります。一つは「飛び越し走査方式」と呼ばれるもので、もう一つは「順次走査方式」です。この記事では、この二つの方式、特に順次走査方式について詳しく説明します。

飛び越し走査方式では、映像は二つの段階に分けて描かれます。まず、奇数番目の走査線が描かれ、次に偶数番目の走査線が描かれます。これらの走査線を合わせたものが一つの画面、つまり一枚の絵になります。この二つの段階を合わせて一つの画面とすることで、データ量を少なくし、滑らかな動きを表現しようとします。しかし、この方式では走査線のずれが生じることがあります。これは、動きの速い場面などで、奇数番目と偶数番目の走査線に描かれる情報に時間差が生じるためです。このずれが、画面のちらつきや画質の低下につながることがあります。

一方、順次走査方式では、走査線を上から下まで順番に、一つの画面として一度に描きます。飛び越し走査方式のように二つの段階に分けることはしません。そのため、走査線のずれが生じることはなく、より鮮明で滑らかな映像を見ることができます。近年では、テレビやインターネットで動画を見る機会が増え、高画質への要望も高まっています。こうした背景から、順次走査方式が主流になりつつあります。データ量は飛び越し走査方式に比べて多くなりますが、技術の進歩により、その差は問題ではなくなってきています。まるで写真の様に、一つ一つの画面が鮮明に描かれることで、見ている人はより自然で美しい映像を楽しむことができるのです。

項目 飛び越し走査方式 順次走査方式
走査方法 奇数番目→偶数番目の走査線を分けて描画 走査線を上から下まで順番に一度に描画
データ量 少ない 多い
画質 走査線のずれが生じる可能性あり、ちらつきや画質低下 鮮明で滑らか
現状 主流になりつつある

フィールドの重要性

フィールドの重要性

動画は、実はたくさんの静止画を連続して表示することで動いているように見せています。その静止画一枚一枚をフレームと呼びます。かつてテレビ放送やビデオ録画で主流だったインターレース方式では、このフレームをさらに細かく分けて表示していました。それがフィールドです。

一つのフレームは、偶数番目の走査線で構成されたフィールドと、奇数番目の走査線で構成されたフィールドの二つに分かれています。これらのフィールドを交互に表示することで、一つのフレームとして認識させていました。テレビ画面を想像してみてください。走査線は画面の上から下に向かって描画されますが、インターレース方式では、まず偶数番目の走査線を上から下まで表示し、次に奇数番目の走査線を上から下まで表示します。これが1フレーム分の映像となります。

なぜこのような方法が用いられていたかというと、データ量を少なく抑えながら、滑らかな動きを表現するためです。限られた帯域幅の中で、より多くの情報を送るための工夫でした。しかし、このインターレース方式には欠点もありました。動きの速い場面などで、画面がちらついたり、横線がズレて表示されることがあったのです。

古い映像素材を扱う場合、このインターレース方式で記録されていることがよくあります。そのため、動画編集ソフトなどで映像を処理する際には、フィールドの概念を理解しておくことが大切です。フィールドの順序、つまり偶数フィールドと奇数フィールドのどちらが先に表示されるのかが正しく設定されていないと、編集作業中に画面のちらつきやズレが生じ、編集結果にも悪影響を及ぼす可能性があります。

また、インターレース方式の映像を、現在主流となっているプログレッシブ方式に変換する際にも、フィールドの知識は欠かせません。プログレッシブ方式は、インターレース方式のようにフィールドに分けることなく、フレーム全体を一度に表示する方式です。インターレース方式からプログレッシブ方式に変換するには、二つのフィールドの情報を適切に組み合わせる必要があります。変換処理を正しく行うことで、高画質で滑らかな映像を得ることができ、より快適に視聴できるようになります。

項目 説明
フレーム 動画を構成する静止画一枚一枚。
インターレース方式 フレームを偶数フィールドと奇数フィールドに分け、交互に表示する方式。データ量を抑えつつ滑らかな動きを表現できたが、画面のちらつきやズレが生じることもあった。
フィールド インターレース方式でフレームを分割した単位。偶数番目の走査線で構成されたフィールドと奇数番目の走査線で構成されたフィールドがある。
インターレース方式の目的 限られた帯域幅でより多くの情報を送るため、データ量を抑えながら滑らかな動きを表現するため。
インターレース方式の欠点 動きの速い場面などで、画面がちらついたり、横線がズレて表示されることがあった。
フィールドの順序 偶数フィールドと奇数フィールドのどちらが先に表示されるか。正しく設定されていないと、編集作業中に画面のちらつきやズレが生じる可能性がある。
プログレッシブ方式 フレーム全体を一度に表示する方式。現在主流の方式。
インターレース方式からプログレッシブ方式への変換 二つのフィールドの情報を適切に組み合わせる必要がある。正しく変換することで、高画質で滑らかな映像を得られる。