動画編集の基礎知識:タイムコード

動画編集の基礎知識:タイムコード

動画を作りたい

『タイムコード』って、動画のどの場所に記録されているんですか?

動画制作専門家

タイムコードは、大きく分けて二つの場所に記録されます。一つはビデオテープの長手方向にある専用の場所、もう一つは映像信号の中に埋め込まれる形です。前者をLTC、後者をVITCと言います。

動画を作りたい

LTCとVITCって、何が違うんですか?

動画制作専門家

どちらも内容は同じですが、LTCは早送りや巻き戻し時に読み取りやすく、VITCはゆっくり再生したり、コマ送りしたりする時に読み取りやすいという特徴があります。用途に合わせて使い分けられます。

timecodeとは。

動画を作る際の『タイムコード』という用語について説明します。タイムコードとは、ビデオテープやディスクなどの記録媒体のどこにあるかを示すための信号です。業務用のビデオテープレコーダーでは、SMPTEタイムコードと呼ばれるアドレスコードが使われていて、時間はもちろん、分、秒、コマといった細かい単位で位置を示してくれます。
タイムコードの記録方法には、テープの長手方向にある専用のトラック、または音声チャンネルに記録するLTCと、画面の垂直帰線期間に記録するVITCの二種類があります。LTCとVITCは同じ内容を記録していますが、LTCは早送りや巻き戻しで探す時に便利なのに対し、VITCはゆっくり再生したり、一時停止したりする時に便利です。
また、NTSC方式の映像信号は実際には1秒間に29.97コマなので、タイムコードと実際の時間との間にズレが生じます。このズレを直すため、タイムコードの一部を間引く方法をドロップフレーム、間引かない方法をノンドロップフレームと言います。

タイムコードとは

タイムコードとは

動画を作る上で、タイムコードは欠かせない要素です。タイムコードとは、動画や音声を記録した物の中に、特定の位置を示すための信号のことです。例えるなら、動画の中の住所のようなものです。動画はたくさんの連続した画像(コマ)からできていますが、タイムコードは全てのコマに固有の番号を付けているため、膨大な量の動画データからでも、必要なコマをすぐに探し出すことができます。

タイムコードは、通常「時、分、秒、コマ」の形で表示されます。動画編集ソフト上では、このタイムコードを道しるべにして編集作業を進めます。例えば、動画の不要な部分を切り取ったり、文字を書き加えたりする時、タイムコードを使って正確な編集点を探し出すことができます。もしタイムコードがないと、目的のコマを探すだけでも膨大な時間がかかってしまい、編集作業はとても大変なものになるでしょう。

タイムコードは、複数人で動画編集を行う際にも重要な役割を果たします。例えば、複数人で一つの動画を編集する場合、修正が必要な箇所のタイムコードを共有することで、他の編集者がその箇所をすぐに見つけ、作業を引き継ぐことができます。口頭で「この場面の少し後」と伝えるよりも、タイムコードを使って「00013012のコマ」と伝える方が、正確で迅速な意思疎通が可能になります。このように、タイムコードは編集作業の効率化だけでなく、共同作業でのコミュニケーションツールとしても重要なのです。

タイムコードの役割 説明 メリット
動画中の特定位置を示す 動画や音声の各コマに固有の番号を付ける(動画の住所のようなもの) 膨大なデータから必要なコマをすぐに見つけられる
編集点の指定 「時、分、秒、コマ」で正確な編集点を探す 効率的な編集作業が可能
共同作業での情報共有 修正箇所のタイムコードを共有 正確で迅速な意思疎通、作業の引継ぎがスムーズ

種類と特徴

種類と特徴

動画を作る際に、映像や音声に時間情報を記録する「タイムコード」は編集作業をスムーズに進める上で欠かせないものです。タイムコードにはいくつか種類があり、それぞれ特徴があるので、用途に合わせて使い分けることが重要です。

代表的なタイムコードとして、「長方形波タイムコード」と「垂直間隔タイムコード」の二種類があります。長方形波タイムコードは、音声信号のように波の形で記録されます。このため、音声記録と同じように、録音機材で再生・記録ができます。長方形波タイムコードは、テープを早送りしたり巻き戻したりする場合でも時間情報を読み取ることが可能です。この特徴から、編集したい箇所の特定が容易になり、素早い編集作業が求められる現場、例えば報道番組の制作などに適しています。

一方、垂直間隔タイムコードは、映像信号の中に埋め込まれる形で記録されます。映像信号の一部として記録されるため、スロー再生やコマ送り、一時停止をしても時間情報を確認できます。また、再生速度が変わっても正確な時間情報を読み取ることが可能です。細かい編集や映像と音声の同期が重要なドラマや映画の制作現場などに向いています。

このように、長方形波タイムコードは迅速な編集作業に長けており、垂直間隔タイムコードは細かい編集作業や再生速度の変更が多い場合に適しています。どちらのタイムコードにも利点と欠点があるため、制作する動画の内容や編集作業の進め方に合わせて最適なタイムコードを選ぶことが大切です。タイムコードの特徴を理解し、使い分けることで、動画編集作業をより効率的に進めることができます。

タイムコードの種類 記録方式 特徴 メリット デメリット 用途
長方形波タイムコード 音声信号の波形 テープの早送り/巻き戻しでも時間情報を読み取り可能 編集箇所の特定が容易、迅速な編集作業が可能 スロー再生、コマ送り、一時停止では時間情報が読み取れない場合がある 報道番組など、素早い編集作業が求められる現場
垂直間隔タイムコード 映像信号に埋め込み スロー再生/コマ送り/一時停止でも時間情報を確認可能、再生速度が変わっても正確な時間情報を読み取り可能 細かい編集や映像と音声の同期が可能 早送り/巻き戻しでは時間情報が読み取れない場合がある ドラマ、映画など、細かい編集や映像と音声の同期が重要な現場

フレームレートとタイムコード

フレームレートとタイムコード

動画を作る上で、動画が何枚の絵で構成されているかを知ることはとても大切です。一秒間に表示される絵の枚数を「こま送り速度」と言い、よく使われる単位として「こま/秒」を用います。例えば、こま送り速度が24こま/秒の動画は、一秒間に24枚の絵が表示されます。このこま送り速度の違いが、動画の見え方に大きく影響します。こま送り速度が高いほど、動画は滑らかに見えますが、データ量は大きくなります。逆に、こま送り速度が低いと、動画は少しカクカクして見えますが、データ量は小さくなります。よく使われるこま送り速度には、24こま/秒、30こま/秒、60こま/秒などがあります。映画では24こま/秒が多く、テレビ放送では30こま/秒や60こま/秒が使われることが多いです。

動画編集をする際には、「時間符号」というものが重要になります。時間符号は、動画の各こまに割り当てられた固有の時間情報で、動画の特定の位置を示すために使われます。この時間符号は、先ほど説明したこま送り速度に基づいて作られます。つまり、こま送り速度が異なると、同じ時間でも時間符号の値が違ってきます。例えば、24こま/秒の動画と30こま/秒の動画で、同じ1秒の場面を表す時間符号は異なります。これは、1秒間に表示される絵の枚数が異なるからです。動画編集ソフトでは、この時間符号を使って動画の編集を行います。カット編集やテロップ挿入など、時間符号を基準にして正確な編集作業を行うことができます。

動画編集を行う際には、素材となる動画のこま送り速度を正しく設定することが非常に重要です。こま送り速度の設定が間違っていると、時間符号がずれてしまい、正確な編集ができなくなってしまいます。また、異なるこま送り速度の動画を組み合わせる場合、こま送り速度を統一する変換作業が必要になります。変換作業を怠ると、動画の動きが不自然になったり、音声がずれたりする可能性があります。こま送り速度と時間符号の関係を理解することは、動画編集をスムーズに行うための基本であり、質の高い動画制作には欠かせない知識と言えるでしょう。

項目 説明
こま送り速度 1秒間に表示される絵の枚数(こま/秒)。動画の滑らかさ、データ量に影響。
代表的なこま送り速度 24こま/秒(映画)、30こま/秒(テレビ)、60こま/秒(テレビ)
時間符号 動画の各こまに割り当てられた時間情報。こま送り速度に基づき、編集の基準となる。
こま送り速度と時間符号の関係 こま送り速度が異なると、同じ時間でも時間符号は異なる。
動画編集時の注意点 素材の動画のこま送り速度を正しく設定。異なるこま送り速度の動画を組み合わせる場合は変換作業が必要。
動画編集における重要性 こま送り速度と時間符号の関係を理解することは、質の高い動画制作に欠かせない。

ドロップフレームとノンドロップフレーム

ドロップフレームとノンドロップフレーム

動画を扱う上で、時間の流れを正確に記録することはとても大切です。その際に「コマ送り速度」と「時間表示」のズレをどう扱うかという問題が出てきます。特に、北米などのテレビ放送で使われているNTSC方式では、コマ送り速度が厳密には毎秒29.97コマで、毎秒30コマではありません。このわずかな差が、時間の経過と共に大きなズレを生んでしまうのです。

このズレを解消するために、「コマ落とし方式」と「コマ落とし無し方式」という二つの方法があります。コマ落とし方式は、一定の間隔で時間表示を少しだけ早めることで、実際の時間と表示される時間を一致させます。具体的には、1分間に2コマの時間表示を飛ばします。ただし、最初の10分間は飛ばしません。また、10の倍数ではない分単位の先頭でも飛ばしません。少し複雑ですが、この方法によって、コマ送り速度が毎秒29.97コマであるにも関わらず、表示される時間は実際の時間とほぼ一致するのです。

一方、コマ落とし無し方式は、時間表示を一切変更せずに、そのまま記録します。つまり、コマ送り速度が毎秒29.97コマであるのに対し、時間表示は毎秒30コマとして記録されます。そのため、時間の経過と共に、実際の時間と表示される時間の間にズレが生じます。

では、どちらの方法が良いのでしょうか?それは、動画の用途によって異なります。テレビ放送のように、実際の時間との正確な同期が求められる場合は、コマ落とし方式が適しています。逆に、動画編集のように、コマ送り速度と時間表示のズレが問題にならない場合は、コマ落とし無し方式が適しています。コマ落とし無し方式では、時間表示が連続しているため、編集作業が容易になるからです。編集点を探す際にも、時間表示をそのまま目安にできるので、作業効率が向上します。

このように、コマ落とし方式とコマ落とし無し方式には、それぞれメリットとデメリットがあります。動画の用途や編集方法に合わせて、適切な方法を選択することが重要です。

方式 説明 メリット デメリット 用途
コマ落とし方式 1分間に2コマ(最初の10分間と10の倍数ではない分単位の先頭は除く)の時間表示を早める 実際の時間と表示される時間がほぼ一致 時間表示が連続していないため編集作業が複雑になる テレビ放送など、実際の時間との正確な同期が求められる場合
コマ落とし無し方式 時間表示を一切変更せず、そのまま記録(毎秒30コマとして記録) 時間表示が連続しているため編集作業が容易 時間の経過と共に、実際の時間と表示される時間の間にズレが生じる 動画編集など、コマ送り速度と時間表示のズレが問題にならない場合

動画編集ソフトにおけるタイムコード

動画編集ソフトにおけるタイムコード

動画を作る上で欠かせないのが動画編集ソフトです。そして、動画編集ソフトを使う際に必ずと言っていいほど目にするのがタイムコードです。タイムコードとは、動画の各コマに割り振られた時間情報のことです。まるで動画の住所のように、特定の位置を示す役割を果たします。

ほとんどの動画編集ソフトには、このタイムコードを表示したり、編集したりする機能が備わっています。タイムコードを使うことのメリットは、まず編集点の指定が正確になることです。秒単位、さらにコマ単位で編集点を指定できるので、狙い通りの編集ができます。また、複数の動画素材を使う場合にも、タイムコードを合わせることで動画同士の音や動きをピッタリと同期させることができます。例えば、別のカメラで撮影した映像や、録音した音声などを違和感なく組み合わせることができます。

動画編集ソフトの中には、タイムコードをキーフレームとして設定できるものもあります。キーフレームとは、動画の特定の時点における状態を記録したもので、その前後のコマの状態はキーフレームの状態を基準に自動的に計算されます。タイムコードをキーフレームとして使うことで、動画の速度や音量、色合いなどを細かく調整できます。また、タイムコードに基づいてエフェクトを適用することも可能です。例えば、特定の時間帯だけ画面をモノクロにしたり、特定のタイミングで効果音を追加したりといった高度な編集も思いのままです。

タイムコードの表示方法や編集方法は、動画編集ソフトによって異なる場合があります。ですから、自分が使うソフトの説明書をよく読んで操作方法を確認しておくことが大切です。タイムコードをうまく使いこなせるようになれば、編集作業が格段に効率化され、動画の完成度も高まります。動画編集の腕を磨きたい人は、ぜひタイムコードについてしっかりと学んでみましょう。

タイムコードとは メリット 使い方 その他
動画の各コマに割り振られた時間情報 編集点の正確な指定、動画同士の音や動きの同期 キーフレーム設定、エフェクト適用 ソフトによって操作方法が異なるため、説明書を確認